悲しみと向き合うこと・感謝という心の栄養
誰もが迎える大切なものとの離れ。それは人かもしれませんし、物かもしれませんし、ペットかもしれません。
悲しさと向き合うのは苦しさを伴います。そんな時は感謝を大切にしたい、という話です。
1.ハートに穴があき、悲しさの波が押し寄せる
私たちは何かを失った時、心にぽっかり穴が空いたようだ、という表現をします。
大切なものとの離れを経験したとき、胸の痛み、胃の痛み、虚無感、無気力感などを覚えます。
それは脳の反応なのかもしれませんが、科学的な根拠を話したいわけではないです。
その時が訪れたときに感じる感覚は、やっぱり一人一人が持つハートに穴が空いているという感覚が的確なのです。
そして、一度空いた穴を埋めるかのように、波がやってきます。
波ですから、大きさもやってくる時間帯もバラバラ。満ち引き、大小、朝昼夜、全て違います。
悲しさ、辛さ、苦しさ、寂しさ、孤独感、後悔、時間が止まって欲しい感覚、戻って欲しい感覚。
そうした気持ちが心の防波堤を乗り越えて、ハートに空いた穴に侵入してきます。
傷口に塩を塗ると言いますが、ハートの穴に海水が沁みて、痛くて、涙が出る。
それが昼夜を問わず突然起きるのです。
事実を受け止め、悲しさと向き合うことは苦しい。きっと空いた穴は修復しないし、この気持ちは一生つきまとうのかもしれません。
2.感謝の気持ちがいつでも相手をつなげてくれる
ただ、その悲しさは、失った何かが大切だったことの証です。
自分のハートの一部になるくらい、大事だったからこそです。
涙を流すことは良いこと。苦しさと向き合い、自分の気持ちに気付き、涙することは、気持ちの整理に繋がります。
ですが、もし悲しみの波に押し潰されそうなときは、その相手への感謝の気持ちを思い出しましょう。
大切な思い出を思い返すことは悲しさもありますが、同時に感謝の温かさも感じます。
その時、あなたは泣きながら笑っているかもしれません。また暫く前進する力が湧いているかもしれません。
死者への最大の手向けは、悲しさではなく感謝である。
これは海外のある劇作家の言葉ですが、感謝の力をよく表していると思います。
冷たくて痛かった波から温かさを感じ、空いた穴を優しく覆ってくれるような、心の栄養が感謝です。
相手に感謝することは、その相手がいなくても、相手とのつながりを思い出させてくれます。
私たちは、いつでも相手とつながることができます。いつでもつながっています。
辛いとき、苦しいとき、それが耐えられないときは、感謝の気持ちをハートに与えてあげてください。