ヴィジョンと戦略をつなぐ絵を描く
1つ前のnote「時代が必要とすること」で書いた、"プロジェクトで何を目指すか、何がゴールなのか、スコープは何かを問うとき、どうすれば今の時代に必要とされるものを生み出せるのか?という視点で考えてみるとよいと思っている"ということについて、具体的に、どんなイメージをしてるかを図式化してみた。
「今の時代に必要なものを生み出せるか?」というヴィジョンを考えるためには、今がそもそもどういう状況なのかを、自分たちの内側と外側の両方の視点で見つめてみる必要がある。図ではそれを「アセット」(内)と「環境」(外)で示してみた。
そうした背景情報の分析があって、今の時代に自分たちが行うべきことは何か?という「ヴィジョン」が導き出せるのだと思う。ここで「環境」だけでなく、「アセット」も見てるのは、いくら外部環境的に必要だと思われることであっても、やっぱり、それって自分たちがやるべきことなの? やれることなの?という視点が必要だからだ。
ということもあって、例えば、このヴィジョンを導くための分析を行うフレームワークとしては古典的なツールながら、SWOT分析などを使うとよいのだろうと思う。
そして、描いたヴィジョンをいかに実現するのか、そのためにはどんな施策を行っていくかを考えるのが「戦略」。ヴィジョンから戦略へいかに落とし込めるかが、仕事をプロデュースする人の手腕の見せ所だと思う。
戦略をたてるという作業は、ヴィジョンの実現のために具体的に必要となる施策をリストアップし、それを組織化する作業となる。組織化は施策間の関係性を描きながら、施策間の優先順位をつけたり、実施の順番を決めたりする作業になる。
この関係性を考えるためのフレームワークとしては、ビジネスモデル・キャンバスだったり、戦略をUXの観点からも検討するためのサービス・ブループリントのようなツールが使えるだろう。
ビジネスモデル・キャンバスとサービス・ブループリントの関係は、主に前者のKey ActivitiesとChannelsの部分を、後者のフレームワークを使ってユーザー体験の流れに従い、詳細化してみる作業だと考えるとよい。
さらに、そこにCustomer SegmentsとValue Propositionsを詳細化するために、バリュー・プロポジション・マップのようなフレームワークを使っても良い。
こうしたビジネスモデル・キャンバスや、サービス・ブループリントのようなフレームワークを下敷きとして、どんな施策が何のために必要なのかが整理できれば、それぞれの施策をどのような形でプロジェクトに落とし込めばよいかがわかる。プロジェクトの目的やゴールも明確にしやすくなるはずだ。
この全体的な構造を「鳥の目」的な視点で視野に入れつつ、個別のプロジェクトを「虫の目」の視点で進めていく。
もちろん、フレームワークを使って描いた絵は、ただの絵に描いた餅だ。
だが、餅の絵が描けない人に、餅は作れないし食べられない。
1つ前のnoteでは、個別のプロジェクトで仮説に間違いがあることが判明し、ゴール設定の変更が必要となり、ピボットした話を書いたが、そのピボットを適切に行うにも、ヴィジョンと戦略の関係が見えていれば、個別のプロジェクトをどう変更すればよいかをそれほど迷わずに済む。つまり、ヴィジョンと戦略が全体をコントロールするためのツールというわけだ。
考えていることをちゃんと言語化・可視化する方法をもっておくというのは、いずれにしろ、自分たちの仕事を楽にしてくれるはず。
てなことを自分の頭を整理したいなと思い、あらためて言語化&可視化してみた。