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外商投資安全審査弁法(全文)

中華人民共和国国家発展改革委員会
中華人民共和国法務部

第37号
『外商投資安全審査弁法』が2020年11月27日に国家発展改革委員会第13回委務会議の審議で可決され、国務院の承認を受けたことから、ここに公布し、2021年1月18日より施行する。
国家発展改革委員会主任:何立峰
商務部部長:鍾山
2020年12月19日
------------------------------------------------------------------------------------外商投資安全審査弁法
第1条 全面的な開放の新局面形成推進の需要に適応するため、外商投資を積極的に促進するとともに、有効に国家のリスク予防及び解消を行い、『中華人民共和国外商投資法』、『中華人民共和国国家安全法』、関連法律に基づき、本弁法を制定する。
第2条 国家の安全に影響を与える又は影響を与える可能のある外商投資に対し、本弁法の規定に照らし、安全審査を実施する。
本弁法でいう外商投資とは、外国投資家が直接又は間接的に中華人民共和国の国内(以下、国内という)で行う投資活動をいい、以下の場合を含む。
(1)外国投資家単独又は他の投資家と共同による国内でのプロジェクトの立ち上げへの投資又は会社設立。
(2)外国投資家の買収合併による国内企業の持分又は資産の取得。
(3)外国投資家の他の方法による国内投資。
第3条 国は外商投資安全審査業務機構(以下、業務機構という)を設置し、外商投資安全審査業務の組織的取り組み、協調、指導の役割を担わせる。
業務機構弁公室は国家発展改革委員会に設置され、国家発展改革委員会、商務部が主導し、外商投資安全審査の日常業務を担当する。
第4条 以下の範囲内の外商投資について、外国投資家又は国内関係当事者(以下、当事者という)は投資を実施する前に主体的に業務機構弁公室に
届出を行うものとする。
(1)軍需産業、軍需関連など国防・安全に関係する分野への投資、及び軍事施設と軍需施設周辺地域への投資。
(2)国家の安全に係る重要な農産品、重要なエネルギーと資源、重大な整備製造、重要なインフラ、重要な運輸サービス、重要な文化製品・サービス、重要な情報技術とインターネット製品・サービス、重要な金融サービス、基幹技術及びその他重要な分野への投資で、かつ投資企業の実質支配権を取得する場合。
前項第2号でいう投資企業の実質支配権の取得には、以下の状況を含む。
(1)外国投資家が会社の50%以上の持分を保有する。
(2)外国投資家の持分は50%に満たないが、享受する議決権が董事会(取締役会)、株主会又は株主総会の決議に重大な影響を及ぼす。
(3)外国投資家が企業の経営戦略、人事、財務、技術など重大な影響を及ぼすその他状況。
本条第1項規定の範囲(以下、届出の範囲という)内の外商投資に対して、作業メカニズム弁公室は当事者に届出を要求する権利を持つ。
第5条 当事者は作業メカニズム弁公室に外商投資の届出をする前に、関連問題について作業メカニズム弁公室に問い合わせすることができる。
第6条 当事者は作業メカニズム弁公室に外商投資の届出をし、以下の資料を提出するものとする。
(1)届出書。
(2)投資方案。
(3)外商投資が国家の安全に影響を及ぼすかについての説明。
(4)作業メカニズム弁公室規定のその他資料。
届出書には外国投資家の氏名、住所、経営範囲(目的)、投資の基本状況及び作業メカニズム弁公室規定のその他事項を記載するものとする。
作業メカニズム弁公室は作業要求に基づき、省、自治区、直轄市の人民政府関連部門に本条第1項規定の資料の代理受取と弁公室への引き渡しを委託することができる。
第7条 作業メカニズム弁公室は、当事者が提出した又は省、自治区、直轄市人民政府関連部門によって送られてきた本弁法第6条規定を満たす資料を受け取ってから15営業日以内に、届出をした外商投資が安全審査を行う必要があるか否かの決定を出し、書面で当事者に通知するものとする。作業メカニズム弁公室が決定を出す前に、当事者は投資を実施してはならない。
作業メカニズム弁公室が、安全審査を行う必要がないと決定を出した場合、当事者は投資を実施できる。
第8条 外商投資安全審査は、一般審査と特別審査に分けられる。作業メカニズム弁公室が届出された外商投資に対して安全審査を実施する場合は、決定日から30営業日以内に一般審査を終えるものとする。審査の間、当事者は投資を実施してはならない。
一般審査を経て、届出された外商投資が国家の安全に影響を及ぼさないと認められた場合、作業メカニズム弁公室は安全審査合格の決定を出すものとする。国家の安全に影響を及ぼす又は影響を及ぼすおそれがあると認められた場合、作業メカニズム弁公室は特別審査始動の決定を出すものとする。作業メカニズム弁公室が出した決定は、書面で当事者に通知するものとする。
第9条 作業メカニズム弁公室が届出された外商投資に対して特別審査始動の決定をする場合、審査後は以下の規定に照らして決定を出し、書面で当事者に通知するものとする。
(1)届出された外商投資が国家の安全に影響を及ぼさない場合、安全審査合格の決定を出す。
(2)届出された外商投資が国家の安全に影響を及ぼす場合、投資禁止の決定を出す。条件を付けることで国家の安全に対する影響を排除でき、かつ当事者が書面で条件付きの受け入れに承諾する場合は、条件付き安全審査合格の決定を出し、決定事項に条件付きであることを明記することができる。
特別審査は始動日から60営業日以内に完了するものとし、特別な事情がある場合は、審査期間を延長することができる。審査期間の延長は書面で当事者に通知するものとする。審査の間、当事者は投資を実施してはならない。
第10条 作業メカニズム弁公室は、届出された外商投資に対して安全審査を行う間、当事者に補足資料の提出を求め、当事者から関連状況を聞くことができる。当事者は協力するものとする。
当事者の補足資料提出期間は、審査期間に算入しない。
第11条 作業メカニズム弁公室が届出された外商投資に対して安全審査を行う間、当事者は投資方案の修正又は投資の撤回をすることができる。
当事者が投資方案を修正する場合、審査期間は作業メカニズム弁公室が修正後の投資方案を受け取った日から改めて数える。当事者が投資を撤回する場合、作業メカニズム弁公室は審査を終了する。
第12条 作業メカニズム弁公室が届出された外商投資に対して安全審査合格の決定を出す場合、当事者は投資を実施することができる。投資禁止の決定を出した場合、当事者は投資を実施してはならず、すでに実施済みの場合、期限内に持分又は資産を処分し、その他必要な措置を講じて、投資実施前の状態に回復し、国家の安全に与える影響を排除するものとする。条件付き安全審査合格の決定を出す場合、当事者は付加された条件に準じて投資を実施するものとする。
第13条 外商投資安全審査の決定は、作業メカニズム弁公室が関連部門、地方人民政府監督と共に実施する。条件付き安全審査合格の外商投資に対しては、関連証明資料、現場検査などを求める方法をとり、付加された条件の実施状況について事実確認を行うことができる。
第14条 作業メカニズム弁公室は届出された外商投資に対して安全審査を行う必要がない又は安全審査合格の決定をした後、当事者が投資方案を変更し、国家の安全に影響を及ぼす又はその可能性がある場合、本弁法の規定に照らして作業メカニズム弁公室に再度届出を行うものとする。
第15条 関連機関、企業、社会団体、一般公衆などが、外商投資が国家の安全に影響を及ぼす又はその可能性があると考える場合、作業メカニズム弁公室に安全審査の提言を提出できる。
第16条 届出の範囲内の外商投資に対し、当事者が本弁法の規定に準じることなく、届出なしに投資を実施した場合、作業メカニズム弁公室は期限付きの届出命令を出す。届出の義務を拒否する場合、期限付きで持分又は資産の処分及びその他必要な措置をとり、投資実施前の状態に回復し、国家の安全に対する影響を排除するように命令を出す。
第17条 当事者が作業メカニズム弁公室に提出した資料が虚偽の資料又は関連情報を隠蔽した資料だった場合、作業メカニズム弁公室は改善命令を出す。虚偽の資料又は関連情報を隠蔽した資料を提出して安全審査合格を詐取した場合、関係する決定を取り消す。すでに投資実施済みの場合、期限付きで持分又は資産の処分及びその他必要な措置をとり、投資実施前の状態に回復し、国家の安全に対する影響を排除するように命令を出す。
第18条 条件付き安全審査合格の外商投資は、当事者が付加された条件に準じることなく、投資を実施する場合、作業メカニズム弁公室は是正命令を出す。是正を拒む場合、期限付きで持分又は資産の処分及びその他必要な措置をとり、投資実施前の状態に回復し、国家の安全に対する影響を排除するように命令を出す。
第19条 当事者が本弁法第16条、第17条、第18条規定の状況に該当する場合、ブラックな情報記録として国家関連信用情報システムに記録し、国の関連規定に準じて、懲戒処分を実行する。
第20条 国の機関に従事する人は、外商投資の安全審査作業において、職権の濫用、職務放棄、私利私欲のための不正行為、国家の秘密又はその他既知の商業秘密漏洩をした場合、法に則って処分する。犯罪を構成する場合、法に則って刑事責任を追及する。
第21条 香港特別行政区、マカオ特別行政区、台湾地区投資家が投資を行い、国家の安全に影響を及ぼす又はその可能性がある場合、本弁法の規定を参照して執行する。
第22条 外国投資家が証券取引所又は国務院から承認を得て、他の証券取引場所で購入した国内企業株式が、国家の安全に影響を及ぼす又はその可能性がある場合、本弁法の適用に関する具体的な方法については、国務院証券監督管理機構が作業メカニズム弁公室とともに制定する。
第23条 本弁法は公布日から30日後に施行する。

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