立場の違いで生まれるギャップ
「脳科学・人間心理」と聞くと、何が思い浮かびますか?
これらについて少しでも学習したことがある方なら、セールスやマーケティングが浮かんだかもしれません。
他にもNLP(神経言語プログラミング)といった、特殊な知識を想像した人もいるかもしれません。
ぼくも、マーケターやプロモーターとして活動していますので、脳科学や人間心理の知識は毎日のように扱っています。
ですが、それらの実績を元に企業にコンサルティングに入ると、売上アップの他にも脳科学や人間心理の知識が大いに役立つ場面があるんです。
それがなんなのかというと、「社長と社員のコミュニケーション・ギャップを埋める」というものです。
もちろん社長というのは、いわゆるプレイングマネジャーも含まれます。
そんな社長たちと、スタッフや従業員たちは、どれだけ深い関係ができていようとも『立場』が違います。
それゆえ、同じ要素を見ても『見方』が違ってくるんです。
例えば、わかりやすいもので言えば”事務用品費”でしょうか。
事務仕事をしていればコピーを刷ることが多々あると思います。資料を作ったり報告書を作るったりすると、一人で何百枚と消費することもあるでしょう。
そんな時、従業員の立場だとコピー費をそんなに気にすることはありません。なんなら会社の中でコピーを刷るのはお金が発生していないくらいに考えているかもしれません。
ですが、実際はそんなことありませんよね?コピー1枚刷るのにも、しっかりとコストがかかっています。
他にも、従業員から直接言われると「こいつわかってないくせに」とイラッとしてしまう言葉や、社長がいうと「うわ、自慢かよ」と皮肉に聞こえるような言葉など、立場が違うから見え方が違ってくるという場面は実はたくさんあります。
脳科学・人間心理の知識は、こんな時にも役立ちます。
脳科学・人間心理の知識は、要は人の習性や本能の知識です。なので、「なぜこんな発言をしたのか?」とか「なぜそんな行動をとったのか?」といった本質部分を見ることができるようになります。
この事実を踏まえて、ぼくがコンサルタントとしてどんなことをしているのかというと、クッション材になってるんですね。
要は、社長が直接従業員に話すと軋轢が生じるのであれば、ぼくのようなコンサルタントが間に入って、ぼくが社長から聞いて、ぼくが従業員に伝えるということです。
人間心理・脳科学の知識があるので、社長の言葉も本質は変えずに従業員が納得いく形で伝えることができます。
反対に、従業員の言葉を社長に伝えるときも、ぼくが間に入ることがあります。
確かに脳科学や人間心理を学べば、コミュニケーション・ギャップが完全に埋まるのか?というとそんなことはありません。やはり複雑な感情を持つ人間なので、それなりに限度はあります。
ですが、腕次第でギャップを限りなくゼロにすることはできます。
今回は、『コミュニケーションの仲介役として、脳科学と人間心理に精通している第三者を配置するのもアリ』という話でしたが、社内にそういった人物を置くのも効果はあります。
手取り早くコミュニケーション関係の講座やセミナー、本から学ぶのもいいかもしれませんが、本質を知る意味でも脳科学・人間心理を学ぶことをオススメします!
田辺輝恭