メルカリなどメガベンチャーにありがちなプロダクト開発の企画フローと成果物
こんにちは~!プロダクトマネージャー(PM)を10年以上してしている@megです。私が若手の頃はPMについての情報がほとんどなくて困ったので、若手PMのちょっとでも役にたてばいいなぁとまとめていこうと思います。
メルカリや副業でのスタートアップでの新規プロジェクトの立ち上げをよくしていたので、その時のプロダクトマネージャーをしていた視点から企画フローをまとめてみました!あくまでも、会社としてではなく、私個人が自分のチームやコンサル先で使っているフローです。
10年以上前はSIerで100人規模のウォターフォールでの開発をしていて、ここ数年のスタートアップはアジャイルぽいものが多く、その中間のメルカリだと事業計画や予算もある中、ウォーターフォールっぽく一定フェーズをを決めつつ、アジャイルのいいところを取りいれるような開発していました。実際は、そのようなどっちとも言えない開発が多いのでそのパターンについてまとめました。
「ここはこうした方がいいよ!」「これは違うと思う」などあったら是非twitterなどでご連絡ください🐤
プロダクト開発フロー概要
立ち上げ、企画フェーズ(発散)、企画フェーズ(収束)、仕様検討、仕様作成、見積もりについて、具体的なタスクと成果物、関係者、スケジュール例をあげました。
全体の流れとしては、企画フェーズの発散と収束は、何度か発散収束を繰り替えすことでブラッシュアップできる方が理想です。ここの時間の取り方次第で大きくプロダクトクオリティが変わるところだと思います。リーン開発やデザイン思考が参考になると思います。
それ以外は、各フェーズの成果物を意識してディレクションしていました。
成果物においては、プロジェクト概要のパワーポイント(googleスライド)をアップデートしていきプロダクト戦略資料にすることが社内報告の資料として軸になります。また、その資料にはプロジェクトのミッション・プロダクトのバリュープロポジションも明記することが重要です。
並行し、スケジュール、機能一覧、体制図もアップデートしていきます。課題管理やワーディングルールなどプロジェクト管理に必要なガイドラインも適切なタイミングで作ることでプロジェクト運用がスムーズになります。新規で色々なドキュメントを作るのでなく、集約とアップデートを意識するとプロジェクトメンバーも把握しやすくなります。
プロジェクト開発の3つのポイント
ポイント①:KGIをプロジェクトミッションを元に設定する
海外では「Output(成果物)」ではなく「Outcome(成果)」を追い求めようという記事をよくみます。オライリーの「プロダクトマネジメント」の著書Melissa Perriは、「Output」に追われている状態、例えば、年内にリリースするというようなdelivery(リリース)のみを目的にし、成果が出ない状態を「ビルドトラップ」とよんでいます。
このOutcomeへ意識を寄せるための一つの方法として、KGIの設定をおすすめします。KGIは数値なのでチーム間の認識があわせやすくなります。
一方で、KGIはプロジェクトのミッションを元に決めることが大事です。例えば、オフラインとECサイトを持っているアパレルが、OMO施策の中でECを強化すると言った場合、OMO施策の全社としてのKGIは、EC+オフライン店舗の流通金額になると思います。一方、OMO対応プロジェクトのKGIは、プロジェクトのミッションや組織構造次第で、KGIはECサイト全体の流通額なのか、ECから流入したオフライン店舗の流通額になるのかによって、施策優先度なども大きく変わってきます。そのため、社内でプロジェクトミッションをしっかり合わせることがプロジェクトKGIを設定する上で重要となってきます。
その上で、「いつまでに」「どんなKGIを」「いくつにするか」という目標を設定するといいと思います。
すこし内容はそれますが、プロダクトの成功におけるメトリクスとゴール設定については「Defining Product Success: Metrics and Goals」という記事が参考になりました。
ポイント②:ステークホルダーは早めに巻き込む
リーガルやセキュリティチームなどのステークホルダーは、上記の図の企画フェーズから巻き込むことが大事です。
ステークホルダーの巻き込みで、巻き込み忘れると信用はマイナスからのスタートになります。「よく若手でしっかり決まってから相談したい」というメンバーがいます。もちろん、決まっていない中で長々と状況を伝えるのはよくないので、一言頭出しだけするという方法を選択肢に入れられるようになるといいと思います。
また、プロダクト開発において、CSは仕様FIXの前後、QAは仕様FIXのMTGにでてもらうことで、手戻りを防ぐのに有効なのでおすすめです。
ポイント③:UX中心にプロダクト設計を行う
プロダクトを開発していると、「自分たちが欲しいものや作りたいものではなく、お客さまが欲しいものを作る」という当たり前のことが自然と忘れられてしまうことが多いです。
事象としては、企画フェーズ(発散・収束)に時間が取れていない、ユーザーインタビューやユーザビリティテストを適切なタイミングでできていないという計画時点での課題があります。そして、ユーザーテストでのインプットを機能にうまく反映できない、そもそもUX Resercherがいないため適切なユーザーインタビューができていないということがあります。
その陥りがちな罠から抜け出すには、前者は計画で改善ができるので、開発フローをいれることで仕組みでの解決できる部分があると思います。リーン開発やデザイン思考が計画を立てる上で参考になると思います。
後者については、UX Resercherは日本には数少ないので、採用が難しいと思います。少なくとも、必ず立ち上げの時点からデザイナー(いるのであればプロダクトデザイナー)を入れることが重要です。
また、プロダクトマネージャーの役割の一つにある「プロジェクトのOutcomeをメンバーが忘れないようにする」というのがあると思います。忙しくなったりすると、近視眼的になり「使われるサービス」をつくるのではなく「単に機能を追加する」スタンスになるプロジェクトをよくみます。そのようなことを防ぐために、日々のコミュニケーションや通常見るドキュメントなど自然と目にはいるところに、Outcomeについての記載を置いておくなどの工夫で改善できるところもあると思います。
参考)用語
ユーザーインタビュー:ターゲットになる人から、ニーズや普段の行動を聞き出すこと。ユーザーがソリューションを使ってくれるかをチェックすることが目的。
ユーザビリティテスト:プロトタイプ作成後の評価・検証フェーズで行うユーザーテストの1つ。プロダクトが使いやすいかをチェックすることが目的。
バリュープロポジション: 顧客がある製品の購入を決めた時、企業が顧客に提供すると示した価値のこと。顧客が製品を使う理由のこと。
KGI(Key Goal Indicator):一般的に評価指標で聞くKPI(Key Performance Indicators)は中間目標で、KGIは「最終目標」のこと。つまり、KPIは「過程」を見る指標なのに対して、KGIが「結果」を見る指標。
MVP(Minimum Viable Product):製品を提供する上で必要最小限の機能のみをもつ、もっともシンプルなプロダクトのことです。こちらの記事がわかりやすかったです。
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