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作品として仕上げると描く力がアップする

現在開催中の「現代日墨展」で会った方に「ついこないだまで菊が描けないーって言ってのにねぇ」と言われました。今となっては笑い話でもあり、なんか賞をもらえたりすると、当時の私の姿を知ってる人には言われたりします。


■とにかく作品にしてみる

ここまでこれた理由の一つに「とりあえず作品化すること」を意識したというのがあります。仕上げるってことです。先輩方に言われてそうしただけなんですけどね。

花でもなんでも、スケッチやデッサンだけだと1枚絵にする力が身につかない。1枚の絵として仕上げることで、構図や、描けない部分、見せたい部分、省くべき部分が見えてくる。自分の好きなパターンも。

もちろん、スケッチやデッサンはとても大事で、観察力とか描写力はつくのですけど、ここでは一枚の絵にする力という意味で書いています。

モチーフだけをとって「◯◯を描いた」で終わらせないで「◯◯を描いて仕上げた」まで持っていくことが大事。

■とりあえず描き上げるだけを意識した最初の作品

で、冒頭の菊がこちらです。タイトルはそのまま「乱菊」でサイズはP10です。

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この頃は、水墨画の筆使いの基礎となる「四君子(竹・梅・蘭・菊)」を覚えたばかりで「とにかく一枚にしてみなさい」と言われ必死で描いたものです。とにかく「描けない」を連呼してましたね。。。

これを描いて初めて絵にすることの難しさと、墨で背景をどうつけていいかわからなかったこと、描けてるつもりで描けていなかった部分などなど見えました。あとこれが初めて和紙に描いたものなので紙についても学ぶことしかなかったです。

これをきっかけに、デッサンをしまくり、デッサンも一枚の絵になるように描き、水墨画もどこに出さずとも作品として描くように心がけました。

習い事なら発表会があったり、スポーツなら試合という本番があったりしますよね。つまり絵に限らず「仕上げる」ということでその時の精一杯と課題が見えるってことなのでしょう。

■今現在の作品(&宣伝)

そんなわけで、今現在の精一杯がこちらです。

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ちょっとアクリル板の反射でわかりにくい部分がありますが、実物は東京都北区にある北とぴあで展示中です。バラエティ豊かな水墨画が展示されているので興味がありましたら是非ご高覧ください。

第34回現代日墨展 
2021.6.23〜27(10:00〜18:00) 最終日は16:00まで
会場:北とぴあ展示ホール 東京都北区王子1−11−1

■まとめ

最初の作品を出すのはちょっと恥ずかしいけれど、良くも悪くも最初の一歩なので愛着はあります。作品にすることで振り返ることもできるし、課題や自分の出せる力、表現力の変化を感じることができます。これは私が作品を描くたびに実感してることです。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。仕上げるって難しいけど実りはあるので、あなたにとっての一枚の絵が増えますように。

ではまた。


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