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もし宝くじに当たったら

1つだけ買った。

テレビで1口買うのも数千口買うのも、当たる確率は変わらないというのを見て。

じゃあ、1口買って運試ししよう。
毎年それを続けて、年末のちょっとした楽しみとして付け加えよう。

そんな風に決めてから、とりあえず買っていた宝くじ。
目の前で何十口買う人を少し心の中で小馬鹿にしながら。

100,000,000円

わけがわからなかった。
どんな不幸が後に待っているのかを逆に不安になるくらい。

とりあえず、受け取りに駆け込む。

三日三晩遊んだ。
これまでした事ないこともいっぱいした。
とりあえず、考えられる遊びを隅から隅までやった。

10分の1も減っていない。
ぼくの心にも何も残ってない。

バイトの時間だ。 

誰にも言わなかった。

そして、宝くじで狂わされた人生を綴ったテレビ番組をみた。
ろくなことない。
手放そうかと思った、一瞬
一瞬ね。

それからしばらく。


彼は、
太平洋側の海辺の一軒家
を買った。

夕日が綺麗に見える時に、
ウクレレの音楽が聞こえる家だった。

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