ケータ

どんよりとした天気
気分はイライラ、くさくさ。何と表していいかわからない。
まぁ、晴れやかな気分ではない。
ケータは人気のない細く狭い道をガタガタな自転車で走っていた。頭の中では別人になり空想の世界になっている。
そんな風になったのは家に帰ると誰かが誰かの悪口をケータにはけ口のように聞かせる。
ケータはそんな家の中には居たくない。だからといってどこか遠く行く手段もない。友達も多くいる訳ではなく、趣味思考もほとんど合う知人も居ない
自転車をひたすらこぎながら空想の世界に浸る。彼にはこれしか遠くのどこかに行く方法がない。

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