心の流離 呈色の時
作/Tana.Ellis.Kelly
いつか、きっと、この記憶さえも
忘れて…しまうのかもしれない
そんな風に想ってしまう
心の片隅にあった、かすかな想いを
胸に
私は一本の花を片手に
舞台に立った
声が出なくてもいい、かすれてもいい、
私は、ただただここに立ちたい
ここの空気感を感じていたい
そんな淡くて切ない気持ち…
そもそも切ない気持ちって…
心を切られるほどの想い?
切なさを語言化することなんて
出来ない
この感情、この心情の切なさは
私にしか分からないから
演じる事の喜びを恋に例えるとするならば、
この恋が実ったことで私はもう何も欲しくないと想うだろう
でもそういう感情も一瞬…
時がたてば、また私は欲しがってしまう
そう矛盾点…いっそのこと、
この矛盾という世界を彷徨うことも、
陽が刺さない場所へ行ってもいい
うまくいかない時は一緒に悲しんで欲しくもなければ同情の言葉もいらない
ただ「頑張ったね」の一言が欲しいだけ
ただ何も言わずに隣に居て欲しいだけ
自分にしか分からない沸点を相手に求めてはいけないことは十分に分かっている
ただ共感という…共に感じていて欲しいだけ
私の心は私だけのもの
色々な色に染まれる
でも、たまには私もあなたの色に染まってみたい
そんな呈色を感じる日があってもいい
それはそれで美しい心の花が咲くだろう
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