再びランドマークの話。
男に二言は無いと言いますが、
これは現代の考えには適さないと思います。
もちろんジェンダーな観点からもです。
ただそれだけではなく、やはり今は情報社会。
情報を制するものが戦いを制するってものです。
情報を持たざるものは戦いすら臨めない。
勝つ為なら情報を操作するのも当たり前。
情報を集めない奴が悪い。
そんな非情な仕組みが出来上がった世界です。
まあ何が言いたいかって、
ランドマーク変更します。
ごめんなさい。
ランドマーク変更させてください。
ランドマーク宣言は自由。
宣言するもしないも、
宣言した所に降りるも降りないも、
被せても被せなくても自由。
ならば変更も自由って解釈でいいですか。
いや本当ごめんなさい。
変更してもよろしいでしょうか。
本当にごめんなさいね。
ランドマークまとめてる方もいる中で、
本当に申し訳ない。
ちょっと先日のスクリムで思うところがありまして、これは溶岩構じゃないなと。
てな訳ですいません。
我々フラジャイルエクスプレスは、
中継地点に降ります。
今回はランドマーク宣言してるチームも少ないし、それにスクリムで中継地点に降りてるチームも無かったので、なるべくご迷惑をお掛けしない場所を選んだつもりです。
いやでも本当ごめんなさいね。
お詫びに陳腐なショートショート置いときます。
お詫びに糞置いときますから許して。
何卒よろしくお願いします。
【第2回 note creator's cup】
開催日: 2021年11月29日 (月)
時 間: 20:00~23:00
悪戯好きで無邪気な彼は、
私を騙すのが得意だ。
例えば、彼が私の帰りを家で待っている時。
私が帰宅する時間を見計らって家の電気を全て消し、わざわざ靴まで隠してさも外出してるかのように見せかけ、リビングのテーブルの下に隠れている。
『あれ?ただいまー』
帰宅した私は居るはずの彼が居ない事に不審がりながらも、とりあえず手を洗ろうと洗面所へ行った隙に彼はテーブルの椅子に座るのだ。
靴も無いしコンビニでも行ってるのかな?と、
すっかり油断した私は平然とリビングのテーブルにつく彼を見て絶叫を伴いながら驚く。
そんな私を見ながら屈託の無い笑顔を浮かべた彼はいつもこう言うのだ、
『騙されたな』と。
彼との生活はそんな毎日だ。
正直心臓が保たないし、たまに本気でイラッとする事もあるが、無邪気に笑う彼の姿を見ると怒りはどこかへ消えてしまう。
そんな彼と付き合って何度目かの冬。
私の誕生日のお祝いに彼が高級レストランでディナーをしようと誘ってきた。
お互いの仕事終わり、19時に駅前で。
どうせまた何か企んでるんだろうと思いながら、私は内心ウキウキが止まらず、気が緩むと思わず口角が上がってしまうのをその日は一日中我慢をしていた。
仕事をいつもより早く終わらせ、
約束の20分前に待ち合わせ場所に着いた。
少し早く着きすぎた為、彼はまだいなかった。
一体どこに連れて行ってくれるんだろう。
そんな事を考えながら彼を待つ時間は幸福感が胸を満たした。
しかし待ち合わせの時間になっても彼は姿を現さなかった。
【駅前にいるよー!今どこ?】
彼にLINEをしても返事はなく、既読も付かない。電話をしても繋がらない。
10分が経ち、30分が経ち、1時間経っても彼からの連絡は一切来なかった。
さっきまでの幸福感は、
次第と底の無い不安へと変わっていった。
彼は私を騙すのが得意だ。
でも私を傷つけるような嘘や、意味無く約束を破ったりする事は今まで一度たりとも無かった。
時刻は22時を回っていた。
私は不安に押し潰されそうになりながら、
泣きそうになるのを必死に堪えて家に帰った。
翌朝、彼の母から電話が来た。
彼は事故に遭っていた。
信号無視をした車に轢かれたそうだ。
なんとか一命は取り留めたものの、意識が戻るかどうか分からないと彼の母は涙ながらに教えてくれた。
急いで彼のいる病院に駆けつけた。
病室で寝ている彼の周りには見たことない機材が並び、彼の体には無数の管が通っていた。
ベッドの横にあるテーブルにはボロボロになったジュエリーショップの紙袋が置いてあった。
私がずっと憧れているけど手が出せないと彼に言っていたお店の袋だった。
事故に遭う前、彼が買ったものらしい。
中に何が入っているのかは見なくても分かった。
私は彼の胸を掴みながら、
ただただ涙を流す事しか出来なかった。
数カ月後
季節は春になったが、
未だに彼の意識は戻らない。
『もう桜も散っちゃったね。そういえば覚えてる?去年一緒にお花見した時、、』
彼に話しかけているのか独り言なのか、
自分でもどちらか分らない言葉が口を出る。
『あ、花瓶の水、変えてくるね』
花瓶を持ちながら彼の病室を出る。
このまま一生目が覚めなかったら。
油断するとそんな考えが頭を支配する。
ねぇ、あの袋に入ってる物は直接渡してよ。
ねぇ、いつもみたいに笑顔を向けてよ。
ねえ、『騙されたな』って言ってよ。
涙が溢れ出そうになるのを必死に堪えながら彼の病室に戻ると、ベッドで寝ているはずの彼の姿がそこには無かった。
『えっ、、』
そう口に出した瞬間、
後ろから誰かが私の肩を叩いた。
『騙されたな』
振り向くとそこには、
少し照れ臭そうな、あの笑顔があった。
私は手元から落ちた花瓶を気にも留めず、
彼を強く、強く抱きしめた。
私は彼に、一生騙されたい。