微分方程式シリーズ#1 変数分離形の解法
もくじ
1. 変数分離形とは
2. 変数分離形の解法
1. 変数分離形とは
導関数y’が、xだけの関数P(x)と、yだけの関数Q(y)の積になっている
dy/dx=P(x)Q(y) ……………①
の形の微分方程式を、変数分離形といいます。たとえば、dy/dx=(cosx+x2)(y+siny)は変数分離形ですが、dy/dx=x2+y2は変数分離形ではありません。
2. 変数分離形の解法
では、変数分離形をどのようにして解いていくのかをご紹介します。
形式的には
dy/dx=P(x)Q(y) STEP
1/(Q(y)) dy/dx=P(x) ①Q(y)を左辺にもってくる
1/(Q(y))dy=P(x)dx ②dxを右辺にもってくる
∫1/(Q(y)) dy=∫P(x)dx+C ③両辺を積分する
(Cは積分定数)
とすれば解くことができます。形式的にはこれでよいのですが、STEP②でdxを右辺をもってくるというのは、両辺にdxをかけることと同じなので数学的に厳密に正しくない可能性があります。よって厳密な導出手順は次のようになります。
dy/dx=P(x)Q(y) STEP
1/(Q(y)) dy/dx=P(x) ①Q(y)を左辺にもってくる
d/dx ∫1/(Q(y)) dy=P(x) ②合成関数の微分法より、d/dx ∫1/(Q(y)) dy=1/(Q(y)) dy/dx⋯⋯(*)
∫1/(Q(y)) dy=∫P(x)dx+C ③両辺をxで積分する。
(Cは積分定数)
形式的な場合との違いはSTEP②です。STEP②の式(*)をもう少し丁寧に見ていきましょう。合成関数の微分法を用いると、
d/dx ∫1/(Q(y)) dy=d/dy (∫1/Q(y) dy) dy/dx=1/(Q(y)) dy/dx
となります。以上、微分方程式シリーズ#1でした。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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