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【障害者雇用成功企業】日本技術センター管理部・部長石田さんにインタビュー前・後編
日本技術センター管理部長・石田一成さんへのインタビュー(前編)
宮下:こんにちは。アイワークスの宮下です。中村です。
本日は障害者雇用の成功例として日本技術センター管理部長の石田一成さんにお話を伺います。
1. 石田部長の経歴について
石田さん:2013年に日本技術センターに入社。大学では法学部に所属し、大空洞の建設研究に従事しました。
研究成果が評価される中、建設業の現場監督を経験し、その後、叔父の誘いを受けて同年に現在の日本技術センターへ入社しました。
現在は管理部に所属し、事務作業全般を担当しています。
2. 障害者雇用を始めた経緯
石田さん:法定雇用率の達成を目的に、障害者雇用を本格化しました。2014年、派遣会社をM&Aで買収したことで従業員数が増加し、雇用率の達成に向けた取り組みが必要になったことがきっかけです。
3. 現在の障害者雇用の状況
石田さん:必要な障害者雇用数は25名以上、現在は22名を雇用中です。特別障害者や短時間勤務者も含まれ、法定雇用率は未達成。今後も積極的に雇用を進めていく予定です。
4.アイワークス卒業生Tさんの採用と職場でのサポート
石田さん:事務経験がなかったTさんを採用しました。初級レベルの業務からスタートし、パソコン操作や事務プロセスを一から指導しています。
業務内容や量をTさんの体調やペースに合わせて調整し、目の前の席で日常的に様子を見守り、適切なサポートを提供しています。
5. Tさんの現在の業務と成長
石田さん:初級レベルの業務は全て継続的に遂行しています。最近では経理処理など中級レベルの業務にも挑戦中です。
デザインに興味があるため、それに関連する業務も一部任せ、モチベーション向上を図っています。
6. Tさんへの期待
石田さん:「スピードより正確性」を重視し、確実な成果を出すことを期待しています。比較や競争心による焦りを避け、与えられた業務を着実に遂行する姿勢を大切にしてほしい。
7. 障害者雇用の成功事例と課題
成功事例:成果を過度に期待せず、個人のペースに合わせた業務提供が成果に繋がりました。質問には誠実に対応し、仕事の適性を見極めた業務割り振りが効果的でした。
課題:高年齢化に伴うコミュニケーションギャップや孤立感の発生が課題です。また、在宅勤務時のフォロー不足が原因で退職者が出るケースもありました。
8. 家族との連携
石田さん:ご家族の不安を解消するため、会社の様子を直接説明する機会を設けています。電話や面談を通じた安心感の提供が重要と考えています。
9. 実習の取り組み
石田さん:実務に即した業務を体験させることで、実践的なスキルの習得を支援しています。セキュリティ対策を講じつつ、現場と同じ環境で業務を経験できる実習を実施しています。
日本技術センター管理部長・石田和成さんへのインタビュー(後編)
宮下:日本技術センター管理部長の石田和成さんに、障害者雇用についてさらにお話を伺います。
1. 障害者雇用の内訳について
石田さん:現在の障害者雇用の障害の種別は、身体障害が8名、精神障害が8名です。元々身体障害者の採用が多かったが、最近は精神障害者の採用が進んでいます。
男女比は、男性7名、女性9名とほぼ均等です。
職種については、事務系10名、技術系1名、派遣社員5名です。
元々は技術職の障害者雇用が多かったが、最近は主に事務職で増加中。今も、技術系の障害者雇用もあるが割合は少なくなってきています。
2. 雇用年数と退職状況
石田さん:現存のスタッフの中には10年以上勤続している方もいる一方、派遣社員では契約期間が短いため2年以内に退職するケースも多くなっています。
新しい取り組みとして、未経験者を積極的に採用し、職務経験を積ませる機会を提供しています。
3. ステップアップ支援について
石田さん:会社として提供できる業務に限りがあるため、専門職を希望する方が別の会社へステップアップすることを支援しています。
初歩的な事務作業から経験を積み、「履歴書に書ける経験」を作る場として同社を活用してほしいと思っています。
未経験者にとって事務経験を積む場は貴重なので、キャリアの第一歩を提供できる会社でありたいと思っています。
4. 柔軟性の重要性
石田さん:新しい仕事や環境への柔軟性が重要だと考えています。これまで私自身も異なる職種を経験し、どの仕事も「拒否せずに柔軟に受け入れる姿勢」を大切にしてきました。
どんな仕事にも学ぶことがある。柔軟に取り組むことで可能性が広がると考えています。
5. 精神・発達障害者への理解と対応
石田さん:精神や発達障害についての理解を深めるため、社内で研修を準備中です。
ケアの方法(目に見えるサポートか、影から支える形か)を適切に選ぶことの重要性を痛感しています。健常者にも当てはまる部分があるため、障害者・健常者を問わず一人ひとりの特徴を理解し、適切に対応する姿勢を学ぶべきだと考えています。
健常者にも当てはまる部分があるため、障害者・健常者を問わず一人ひとりの特徴を理解し、適切に対応する姿勢を学ぶべきと述べた。
6. 社内の取り組みとPR
石田さん:日本技術センターでは、姫路を拠点に機械設計や人材派遣を展開しています。
未経験の方も安心して働ける初歩的な事務作業を提供しています。また、経験を積み、次のキャリアに進むことも歓迎しています。
「未経験だからと諦めず、ぜひチャレンジしてください。事務職や技術職に興味がある方はお気軽にご応募ください!」
宮下・中村:本日は貴重なお話をありがとうございました!
石田さん:こちらこそ、ありがとうございました!