デザイナー採用に現場のメンバーを巻き込むメリット
採用業務といえば、人事やマネージャーによって行われる職場も多いだろう。しかし、デザイナー採用には現場のメンバーを巻き込んだ方が良い。前職の上司がこのスタンスで、わたしもマネージャーになる前からカジュアル面談や面接に関わらせてもらい、やがて同じ価値観を共有した。
面接をリーダーやマネジメント層で完結させているデザインマネージャーは、現場のメンバーも巻き込んでみてほしいし、現場のメンバーも、積極的に参加表明してみてほしい。これは組織にとっても、個人にとってもメリットになる。
ポートフォリオからの刺激
デザイナー採用に関わっていると、求職者のプロフィールや、ポートフォリオを目にする。
特にメンバーにとっては、ポートフォリオを見られるメリットは大きい。駆け出しのジュニアレベルから、百戦錬磨のシニアレベルまで、多くのデザイナーのポートフォリオに触れることで、刺激を受けられる。
特にレベルの高いポートフォリオを見れば、もっと頑張らなければという気持ちにさせられる。その中で、自身の強みや弱みを自覚したり、今後目指したい方向性のヒントにもできる。
視座を高めるきっかけになる
カジュアル面談や面接に参加する過程で、メンバーに求められるのは「一緒に働きたいのは、どんなデザイナーか」という視点である。
どんな人に入社してほしいか。逆に、どんな人には入社してほしくないのかあ。それはなぜか。これらの問いを突き詰めていく内に、次のような思考が浮かんでくる。
わたしたちは、こういう事業をしていて、こういう目標を掲げていて、今はこういうメンバーが揃っていて、こういう強みや弱みを持っている。だから、次はこんな人に入社してもらうべきだ。
こうした過程を経て、マネージャーのように、事業や組織の視点で考えるきっかけとなり、視座を高められる。
言語化能力のトレーニング
カジュアル面談や面接に出るようになれば、当然ながら、求職者からの様々な質問にも答えられなければならない。
職種を問わず、会社のビジョンやミッション、事業、組織についてはもちろんのこと、デザイナー採用であれば、デザインのプロセスや課題、求められるスキルなど、デザイナー特有の質問も多く寄せられる。
これらの質問に答えるためには、普段から考えていなければならず、また考えていたとしても、言語化するためには鍛えていなければ難しい。こうした言語化能力を高められる場数を踏めるのも、メリットのひとつと言える。
チーム作りの経験
採用やチーム作りといえば、当然ながら面接だけではない。晴れてチームメンバーを迎え入れることになれば、そこから活躍し、定着してもらえるようなオンボーディングの設計が欠かせない。そのためには、近い距離で仕事をともにする現場のメンバーの方が、短期的にはマネージャーよりも重要な鍵を握る。
現場のメンバーを巻き込むと、新しいチームメンバーを迎え入れる意識も変わる。マネージャーが連れてきた人ではなく、自分たちで選んだチームメイトであるという好意と、責任感が生まれる。そして、オンボーディングを通してチーム作りに関わる経験も積める。