旅するからこそ感じる、帰れる場所のありがたさ
私は台湾2週間の旅から帰国したばかり。
15年勤めた病院を辞めるくらい旅がしたかった私だから、こうして時間を気にせず旅ができるようになったことは本当にうれしい。
仕事だってパソコンとインターネットさえあれば完結する。
私には自宅が必要がなくなったわけで。
ずーっと旅しながら暮らしてもいい。
好きなだけ異国の地に沈没してもいい。
でも私は今、北海道の札幌で暮らしている。
「旅がしたいなら家なんて不要!その分旅に時間もお金も使うんだ!」
そう思って家を手放した4年前。
忙しい病院勤めから解き放たれて私は…旅暮らしに没頭してた。
そのまま2年。
2年も自分の家がなかったからこそ分かることがある。
好きなだけ居てもいい自分だけの場所ってすごい
いつお風呂に入ろうが出かけようが自由ってすてき
自分の好きな服をたくさん持てる
家具も好みのものを揃えられる
洗濯がいつでもできる
移動日が雨(または猛暑・大雪)で困ることがない
食材を何でも買えるし置いておける
自炊ができる
そもそも住所があって、郵便物が受け取れる!!
たぶん多くの人には分からない気持ち。
いくら素敵なホテルで暮らしてても、常にチェックアウトのことや清掃の時間のこと、朝食の時間、大浴場が使える時間。
荷物を出したりまとめたり。
意外と気にしないといけないことが多い。
1週間、時には1ヶ月滞在することもある。
でもいつかは移動しなきゃいけない。
そうなると安易に持ち物は増やせない、食材は消費しないといけない。
不要なものが増えにくいのは旅暮らしのメリットとも言える。
他の旅暮らしの他のメリットといえば
素敵なホテル、宿にたくさん泊まれる
家賃分を滞在費に使える
掃除しなくていい
行きたい場所に合わせて暮らせる
水道光熱費気にしなくていい
うまく選べば賃貸より安い場合もある
自炊しなくていい
こんな感じ。
旅暮らしを始めたばかりの頃は、ずっと旅しながらいろんなホテルに泊まれる生活にはまっていた。
でもだんだん「移動するの大変だな」「旅するのはいいけど帰る場所がほしいな」と思うようになった。
今は一目惚れした札幌の街が私の帰る場所。
旅先ではじめての風景や文化に触れて感動すると同時に、大好きな札幌を思い出す。
「あぁ今ごろ札幌はライラックが咲き始めてるな」
「まだ我が家のベランダは雪で埋まってるかな」
旅が楽しいと同時に、我が家へ帰れるワクワク感もある。
そして、札幌の馴染みの場所をめぐりながらまた旅を反芻する。
この繰り返しがあるから旅はいつも新鮮で、住んでる場所もより好きになれる。
いつでも旅に出れて、いつでも「帰っておいで」と待っててくれる我が家があるから今の生活が成り立ってる。
「旅暮らしすると自宅は邪魔になる」
「自宅があると旅に行かなくなる」
以前はそんな風に思っていたけど、実際はお互いがうまく相乗効果を生み出して、私は今も旅を続けてる。
これからは数ヶ月単位の旅もあるかもしれない。
けど、帰れる場所があるから安心して旅に出れるなって思う。
そして最近思うのは、早めに終の棲家を見つけたい。
隠居するまでに見つければいーやと思っていたけど、できるなら早めに見つけて自分の城を築きたい。
お気に入りの家具や食器を集めて、紙の本だって気にせずガンガン買う。
そして旅の思い出を飾る。
今からコツコツ最高の家を作りたいなー。
これもめぐり合わせだから気長に探したい。
世界のどこが私の終の棲家になるのか、とっても楽しみ。