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アフリカ人夫と離婚までの道のり#14
家に着いた。
玄関の前に旦那とその他の男が3人。
一人の男が名刺を差し出した。「旦那から離婚手続きを委託されている弁護士の○○です」それに続いて「○○署の○○と○○です」と刑事も名乗った。
旦那は目を見開いて興奮して私に向かって大声で怒鳴り続けている。
唇全体が粉が吹いたように白くなっていて異様な形相だった。元々気が小さい弱い人で他者からの承認だけで自己を保てる人だったので、あまりにも大それたことをしている自分に興奮していた筈だと思う。
私は刑事さんに尋ねる「何で私の家に来ているのですか?」
刑事「旦那さんが家の中の荷物を取るのに奥さんが暴れて暴力を受けるかも知れないと訴えてきているので、我々がこうやって立ち会っているのです」
私「夫婦喧嘩に警察が来るなんて、しかも実際に暴力もないのに・・・それに民事不介入原則に反していますよね?」
刑事「事件を未然に防ぐのが我々の仕事ですから」
私「まあ、いいです。好きなだけ見て行ってください。警察も暇で仕方ないのですね。」
弁護士と刑事を外に待たせ、旦那は家の中に入ってきて、あれこれ物色して持ち出していった。そして、他の荷物は「何も要らない」と言っていた。
私はその時も弁護士や刑事、旦那の会話を録音している。
弁護士は、「旦那さんはあなたとの離婚を強く望んでいる。この後すぐに家裁に行き離婚調停の手続きをする」と言う。
私は「離婚は良いけど、この人の今の在留資格は、結婚しているから仕事も何でも自由にできるのに、定住者ビザが駄目だった場合、介護の実習生としての在留資格だと音楽の仕事が出来なくなる。この人の仕事は音楽ですよ。それが出来なくなったら・・・この人はそれを知っていますか?」
弁護士「旦那さんはそれでもいいと言ってます。もしも、アフリカへ帰ることになっても離婚したいと望んでいます」
そこまで、覚悟しているならいいでしょう。自分で決めたのなら。
本当に覚悟があるなら。
だけど、このままでは納得がいかない。アフリカから帰ってきてからの事から刑事が家に来るこの茶番も何もかもが、旦那が蒔いた種が原因ではないか。
刑事を連れてきたのも定住者ビザへの切り替えに向けた伏線であり、実体のないDVシナリオを作るのは、ビザ代行をする行政書士事務所のホームページに必ず載っている「配偶者のDVが原因でやむ負えずの離婚」という文言に影響されているからだ。
実体伴わずともでっち上げればいいなんて、この時代において幼稚過ぎる発想でなんともお粗末だ。
そして旦那は刑事に立ち合いを求めるほどDVに脅えていると言う嘘は、この後すぐに崩壊する。
後日、弁護士も刑事も伴わずいきなり一人で私の家に来て、普通に家に上がり込み、取り残していた物を色々と持ち去っていった。
私はその一部始終を録音していた。そして、そのことを旦那に電話で告げた。私を陥れるようなことを企んでも無駄だと、二人で話し合って離婚を決めたい思いが私にはあった。離婚後、外国人は3ヵ月待てば再婚できる。
Mちゃんとの会話でも二人の将来を話していたではないか。一緒にアフリカ旅行をしていたHちゃんとも太鼓の演奏が出来るアフリカンのカフェを一緒にすると約束していたではないか。
何故、それを真直ぐ進まずに、こんなことを起こしていくのか。
これでは、全て無くしてしまうよ。ずっと言い続けた。
調停などせずに離婚して好きに自由に生きていくことを言い続けた。
技能実習生のビザにになったら音楽が出来なくなるかもしれないのに、それでも理事長たちの思惑にはまりたいのか?それでも日本にとどまりたいのか?
焦らずとも真実はいずれ明るみになります。真意も見えてしまいます。
弁護士からは調停をすると告げてくるが、こちらから何度連絡してもなしのつぶて。
離婚届を提出しにいっても不受理申請を出されていて離婚も出来ない。
私の人生なのにどこまでも利用される。
そして時は流れ12月某日離婚調停の申し立てを相手がした。
私も同日の12月某日離婚調停の申し立てを起こした。
お互いが同日に申し立てをしたのは打ち合わせした訳でも何でもない。
だけど、ただの偶然ではない。自然にその日に出す行動をとったとしか言いようがない。
そして、嘘みたいな話だが、旦那の借りている家を今ではもう知っている。
誰に聞いても教えるわけないと思っていたので今まで誰にも聞かなかった。
どの市町村も知らない、まるで手掛かりが無いのに、2025年元旦、午前3時過ぎ初詣に行く道中自然に見つけた。走行中道路わきの駐車場にふと目をやると旦那の使っている法人の車が駐車してあった。そして、建物も部屋もわかった。
自分でもわかったことに驚いた。私は超能力者かなとも思えるような。
だけど、それもある、あってもいいと思ったら普通のことになる。
今わかっているのは、私は旦那の音楽の仕事やアフリカの家族のことといった旦那の人生を考えなくてもいい。
旦那のサポートをする人はもう私ではない。
私とは生きる世界、領域が全く違うので仕方がない。
旦那には旦那と合う人達との世界がある。
其々が自分に正直に真直ぐ、ブレても自己で修正して歩むのが自分の人生だと思います。