ミレーの網

私は人並はずれた汗かきだ。いまの季節など普通に屋外で突っ立っているだけで滝のように汗が流れる。コミケのようなイベントに行けば、あっという間に全身ずぶ濡れ状態になり、帰る頃にはシャツを絞れば汗がしたたるほど。
何か対策はないかと思っていたところ、こんな記事を見つけた。 

毎年夏コミに全日程で参戦し、炎天下に晒され続けた取材班が行きついた、究極の対夏コミ用装備

有名なアウトドアメーカーの高機能インナーを着れば汗による不快感が無くなるという内容だった。本当にそんな都合のいい商品があるんだろうか、と半信半疑ながらものは試しと思い買ってみた。お値段なんと6600円。 

DRYNAMIC® MESH ドライナミック®メッシュ アンダーウェア | MILLET

このメッシュ状のインナーを着て、その上から吸湿速乾素材のシャツを着れば汗で濡れたシャツが肌にはりつかず不快感が解消されるという触れ込み。その実力を確かめようと、実際に着用して炎天下の外出に挑戦してみた。ちなみに組み合わせたのはモンベルの吸湿速乾素材「ウィックロン」のＴシャツだ。

さて、着てみた結論から述べると「自分には合わなかった」。どういうことかというと、締め付け感が強すぎて不快感が増すのだ。画像を見てもらえば分かると思うが、このインナーはまさに「網」そのもの。伸び縮みする網が体にピッタリ密着するような感じで、例えると「網に包まれたチャーシューになったような着心地」なのだ。

私は基本的にピッタリした服が苦手で、許されるならば２４時間３６５日全裸で過ごしたい。そんな人間にとってこのインナーの相性は最悪だった。
確かにシャツと肌の間にメッシュ層があるので濡れたシャツがぺったりはりつくことは無かったが、濡れた網がぺったりはりついている不快感は常にある。全然サラサラしてない。なんとか我慢しながら用事を済ませて帰宅し、急いで網を脱ぎ捨てた。たぶん「ミレーの網」はこのままタンスの肥やしになるだろう。
そして、ふと思いついてモンベルのウィックロンをそのまま着用してみた。すると、あら不思議。汗に濡れていたはずなのにサラサラ感＆ヒンヤリ感があってすこぶる快適なのだ。まったく同じ条件で試しているわけではないのであくまで主観でしかないのだが、私は素肌に直接ウィックロンを着た方がずっと快適に感じられた。
アウトドアウェアには様々な機能性素材が使われていてそのぶんお値段も高めだが、実際に着用してみないとその効果は実感しづらいのが難しいところだ。今回は高い授業料になってしまったが、このレビューが誰かの参考になれば幸いだ。