買ったアバターが販売数「1」だった
はい、たましこです。
タイトルの通り、販売数が1しかないアバター使ってました。なんかいろいろわかった気になっているのでまたなんか書こうかなと思いました。
「ここがいいから買って!」という記事ではないし、販促宣伝の意図もありません。また、これは個人の意見です。
追記:制作者にはこの記事の許可もらってます
昔話
VRChatの世界でアバター販売という概念が一般化してから一年半位経過しました。
アバター販売は、所謂「1080円ちゃん」を皮切りにブームになりましたね。それより前でもAssetStoreで3Dモデルをアバター用に購入してたりした人はいましたが、殆どは無料のMMDのコンバートモデル(念のためですが、過去の話です。)や自作のモデルだったりしてました。ボクセル全盛期だったり、ワニでもブームだったりもしました。
バーチャルマーケット1の辺りまでは、購入の選択肢も少なく、また、制作者の広報手段も乏しかったため、ユーザによって使用される販売モデルはそこまで多彩ではありませんでした。逆に、バーチャルマーケット1が開催された後は多くの種類のモデルが出回りました。
クオリティ
多種多様なモデルの存在が知られ、PublicやFriend+では販売モデルを使ってる人が多かったのを覚えています。当時私はボクセルアバターを愛用していたため、特に買って使ったりはしていませんでした。
「多種多様なモデルの存在が知られ」とは書きましたが、それらが全て飛ぶように売れたわけではありません。やはり、クオリティの高いモデルがよく売れていたように感じます。
3Dモデルの作成はとても高い技術が要求されます。一朝一夕で得られるようなスキルではなく、ましてや他の人が「欲しい!」と思うモデルを作るのは並大抵の努力では難しいでしょう。本職の3Dモデラーや、所謂「絵師」の作ったモデルは総じて好評でした。もちろんそうじゃないモデルが人気になった例もありますが、片手の指で数えるほどです。
在庫(の限りが)がない
品質が高かったり、特定の付加価値があったりするモデルは飛ぶように売れました。良いものが売れるのは現実の市場においても同じですが、在庫という概念がない分バーチャルの市場はタチが悪いです。
高品質なモノを低品質なものと同じペースで生産し、また、価格を低品質なものと同じ水準まで下げると、当然ですが低品質なものは売れなくなります。
現実の市場においては、高品質な商品ほど(一般的には)大量生産が難しくなります。希少な原料を用いていたり、職人のこだわりがあったり、生産スペースの問題だったり、理由は様々です。ともあれ、そういった原因により発生する希少価値というものは、モノの価値、価格に大きく関わってきます。
さて、バーチャルはどうでしょう。モデリングの技術力は価値に直結していますが、それを一体一体やる必要はないです。一度作ったモノはいとも簡単に増やせるのがデータの強みです。
また、販売スペースという概念もバーチャルの世界ではさほど重要ではありません。売れたお代の一部を手数料として受け取るので、初期投資も必要ありません。ただ、今後「参加費を取るマーケット」が発生したら必要にはなります。しかし、現実の市場と比較すると格安なのは間違いありません。
長々と書きましたが、つまるところ、バーチャル世界の市場においては、「商品自体の希少価値」が殆ど発生しません。
「あの神モデルがなんで5,6000円払えば買えるんだ??」と思う人もいるかもしれませんが、単体の価値をそこまであげなくても充分な利益が見込めるからです。あるいはそもそも利益を目的にしていないのかも知れませんね。
ただ、「値段が高いことに価値がある」という人もいますし、「数量限定モデル」を売る人もいます。ブランド戦略としてそういった手法も実際にありますし、実際に利益も得られているのならば問題はないでしょう。
険しい現実
Twitterを眺めていると、「モデル販売数○○突破~」や、「売上目標達成~!」といったツイートがよく流れてきます。逆に、「作ったけど売れへんやん…」といったツイートは滅多に流れてきません。なんとなく、皆のモデルがバカ売れしているように感じてしまいます。
既に消されていたのでデータとしてアテになりませんが、バーチャルマーケット3の主催者が行った「バーチャルマーケット3でモデルは何体売れたか」というアンケートがTwitter上で行われていました。Twitterのアンケなんてなんでも言えるので完全に信じてはいないし、そもそもアンケ自体が消されているので「ふ~ん」程度でよいのですが、「1体も売れなかった…」の部分の票が(少なく見積もっても)3~4割はあった覚えがあります。
なんで消されたんでしょうね?深掘りはやめておきましょう。
ただ、Vケット3で売られていたモデルを実際に使ってる人を見ることはそう多くない様にたましこは感じています。正確には、「すごくよく売れていたモデル」ばかりというところです。勿論そうでないモデルも見ることには見ます。
宣伝において、「使用者のレビュー」は大きな効果を持っています。Amazonで商品を買うときにまずレビュー欄を見る人は多いですし(偏見)、3Dモデルならば、実際に目の前で使ってる人が魅力を語ってくれるでしょう。
利用者が多ければ多いほど宣伝効果も大きくなります。逆に、利用者がいないと、途端に宣伝は難しくなります。そういった観点から考えると、バーチャルマーケットの様なマーケットは宣伝の場として大きな意味を持っています。
また、試着用のモデルをクローン可能な状態で放流してる人もいます。「それを使い続ければええやん」とならないのは、きっと改変文化の賜物でしょう。これも大きな宣伝効果を持っています。
…大分話が脱線しましたね。軌道修正しましょう。
そのモデルとはどこで出会ったのか
いつものようにフレンドの所に遊びに行った時に、そのモデルを作った人がいました。珍しいというわけではなく、普通によく会います。
彼のモデルには前から目をつけていました。ゴチャゴチャした見た目と、衣服や下着、女性らしさを強調する部分、アッパーポニー等々、多くの要素が私好みでした。
過去に、彼が使ってるモデルが欲しいな~と思い、boothを覗いたら、そのモデルは販売しているわけではなく、彼が使う用のモデルだったこともあります。私は、「人が使ってるモデルは買える」と無意識に思い込んでいました。
ただ、その日は違いました。彼自信が販売しているモデルを彼が使っていました。
「いいお尻じゃん。買うわ。」
と言って目の前でポチったのは覚えています。試着なんてしていないし、なんならモデルの名前も知りません(今も知りません)。ちなみにブーストはしていません。
買ったとき、「あ、たましこさん。これ買ったの世界で唯一たましこさんだから何かあったら言ってね」と言われました。実質ワンオフやん~とか笑っていたのを覚えています。
改変しようとして始めて気がつくこと
買った3Dモデルを改変するのはもはや常識…とまでは言いませんが、VRChat民の改変率は高いです。「よく売れるモデルは改変難易度が低い」とも聞きます。さて、今回はどんな改変をしようかと、買ったモデルを見回していると、多くのことに気が付きました。
「ガーターベルトの柄まで細かく書かれている」「下着に縦縞の模様が入ってる」「ネイル全指別々に作れる」「胸にコライダーが」「胸の隙間用に服の裏面がある」「素体が作られている」等々…
これは彼の細かいこだわりなんだと思います。全体的に服の作りが細かいモデルだと気付いたのは、モデルを買ってからでした。
「いや、そんなん気付かねーよ」というのが素直な感想です。逆に、そういったこだわりの部分を売り込むことも大切なのかなと考えていました。
人気アバターと比較して
大人気なアバターと比較すると、やはり「個性」が光ります。
たましこはPublicをうろうろする人なので、かなり多くの人と接触します。
これは偏見ですが、使用しているアバターが珍しいと、一回しか会ったことがないような人にも覚えてもらえます。もちろん、改変で個性を出しても覚えてもらえますが、やはりその差は歴然です。「あの見た目はたましこさんだ」と遠くからでも認識されます。ネームプレート?知らない子ですね。
オリジナリティを欲するたましこにとって、「他に誰も使っていない」は大きな価値です。
ただ、よく売れているモデルと比較するとどうしても全体的なクオリティに差があるなと実感します。売れているのはそれなりの理由と実績があるのかなぁと考えたりもしましたが、それは最初だけでした。
クオリティが高い低いなんて、個人の尺度でしかありません。たましこはそもそもこの尺度がアレらしく、大体のモデルを高品質なモデルだと感じてしまう人です。
「他人のモデルにはその人が認めた長所がある。そして、私の使ってるこのモデルの持つ長所は他の誰にもない長所である。」と思っています。実際、私が使ってるモデルほどガーターベルト作り込んだモデルはそうないですし、胴の部分の肉厚なリボンはこのモデル以外にほぼ見ません。
全体のクオリティはそんなに関係ありません。自分が好きな部分が好きな形している。これが大切なんだなと感じました。
余談
たましこはモデルのワンオフやってたり、アバター販売していたこともあります。一応今でもしています。一応。製作から一年経った今でも使ってもらえているのはとても有り難いことです。
また、販売数が1のモデルもあります。ただ、これは自分用に作ったのをついでに置いただけなのでなにも感じません。
しかし、やはり購入されるとうれしくなります。その時はたまたますぐに購入者と遭遇しましたが、やはり感謝の気持ちは大きかったです。
私が件のモデルを購入し改変した後、「自分のモデルの改変を見てみたくて」と私のところにJoinしてくることがあったり、スクショ付きのツイートをリツイートしたり、きっとめっちゃ嬉しいんだろうなと思います。
今では、多く売れているモデルは、専用の衣装の様なオプションパーツも豊富にあります。しかし、あまり売れていないモデルにも魅力はたくさんあります。ニッチなアバターを使うというのもどうでしょうか?
たましこ
…え?販促宣伝しないのかって?そんな事したら「私だけ知ってる~」という気分になれないじゃないですか。