【ユーザベース】2020.9期-3Q

ビジネスデータのSPEEDA、SNS型ニュースのNewsPicks運営。海外に集中投資。

【経営成績】

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★売上が99億円と100億円を窺う。目標は130億円。進捗率が76.4%なので、全然こなせそうではある。
★営業利益は相変わらず赤字ではあるものの、赤字幅は大きく縮小。

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★SPEEDAもNewsPicksもそれなりに成長した。
★しかし一番大きいのはQuartzの赤字幅の減少分。▲2,467→▲1,954と+513のインパクト。
★Quartzのロスカットもなかなか経営判断としては早かったと思う。見切り千両である。元々筋は良くないが。ただ何でもやってみなければわからないところはあるのでそれは仕方ない。引責で代表も辞任している。そこは潔いかとは思った。もう飽きて、次のビジネスシーズを探したいとかなのかもしれないと思うほどには辞任がスムーズであった。

簡易的な営業CFを作った。

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★こうして見ると3Qで+10億円の黒字である。マージンは11%となかなか。
★利益は相変わらずの赤ではあるが、償却費と売上債権の減少がかなり効いている。
★シンプルなBSでもあり、なかなか見やすくて良い。

【財政状態】

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★自己資本比率が33.3%で、ちょうど1/3が自己資本。
★d/e Ratioが1.16倍と高い。
★ネットキャッシュが+31億円。対総資産比率で17.3%もあって意外。わざわざ借りたので何かに使うのでしょう。
★それにしても時価総額が1,293億円。本当にそんなに価値のある会社なのでしょうか?

【各経営指標】

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★赤字の目標であるために、ROE,ROA,PER,ROICは異常値。
★PBRが20.9倍。高い。
★EV / EBITDAが239倍。高すぎ。EBITDAがせいぜい5億円の会社で、1,261億円のEVは何の期待値なのか。不明。
★配当は当然出さない。赤字なので当然。配当よりも事業投資という志向は買う。

【総括】

Quartzの早い潔いロスカットは評価。株価も上げている。
ただそうは言っても次の成長のネタはないように見える。
SPEEDAの営業利益の成長率は129%、NewsPicksは276%
頼みの、SPEEDAの成長率にはいささか陰りが見えてきてはいまいか?
NPは2.7倍とグロース株の名に恥じぬ成長率ではあるものの、いささか怪しいリテール向けのサロンビジネス。あまり良い筋のビジネスとは個人的には評価できない。
幸いまだ、30億円程度のネットキャッシュがあり、多少の種銭はあるので、これをどう使っていくのかは要注目か。
ただロスカットしたQuartzなども、「なんとなく海外進出したかった感」満載だったと思う。最初に海外進出ありきの戦略と言って良いのかどうかも分からないあやふやな経営。
テック企業にありがちな、典型的なプロダクトアウトだと思う。
なんとなく、自分たちのやっている仕事とかが崇高な理念と思い込んでいるようなフシが見て取れる会社。好きではないので絶対買わないかと思う。

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