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ジャズのような

次の旅行の計画を立てている。

旅行は、あれこれ計画を練っているときが一番楽しいと、誰かも言っていたような気がするけれど。

この気持ちを因数分解すると、未知なものへの期待と、
約束された祝祭への高揚感が、私にとっては大きいのかなと。

初めて生で見る絶景、初めて食べる料理、少し違う言葉でのコミュニケーション。そういうものから受け得るポジティブな刺激。

そして、旅行は平凡な日常が一旦区切られる、ハレのイベントでもある。
いろいろと空想して、与えられた時間を埋めていって、多少は忙しいかもしれないけど、ああもう全部楽しい、本当に生きるって楽しい、ってきっと思える。それがほとんど確約されているっていう、ただの未来への妄想なのに心に与える力がとても大きい。

(あとは単に飛行機に乗れるのが嬉しい。私は。)


むかしジャズをかじっていたときに、よく間近でプロの演奏を聴いた。

彼らからはミスという概念を感じなかった。
どんな演奏もそれは一つの真摯なプレゼンテーションで、純粋に自分がやりたいことが音となって外へ出ていく。

まるで人生みたいだと思った。

楽譜通りの一生は、安定感はあるかもしれないけれども、そうじゃない人生にすごく惹かれるようになった。
ジャズのような人生を送りたい、というのがその時からの希望になった。

旅に出ても、たまには嫌なことやうまくいかないこともあったけれど
それ以外の楽しいことが多すぎて、特に予想もしていなかった出来事が嬉しくて、生きていることを実感できて。

だから旅はやめられない。
ソリスト自身も予想できない、あの激流に、今すぐ飲み込まれたい!

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漆畑美佳
最後まで読んでいただき、うれしいです。 サポートをいただいたら、本か、ちょっといい飲みもの代に充てたいとおもいます。