十文字峠|自生するシャクナゲと原生林・貴重なホテイランが愉しめるハイキング
更新日:令和3年6月19日|登山口から山頂まで1時間半位|体力★★☆☆☆・展望★★☆☆☆・静けさ★★★★☆・技術★☆☆☆☆・危険度★★☆☆☆・初心者向け|自生するシャクナゲが愉しめる山行となっております。原生林のしっとりとした静けさの中、貴重なホテイラン・ツバメオモト・コモイコザクラなどに出会える山旅となっております。
十文字峠{ジュウモンジトウゲ}(1960m)
◆都道府県:埼玉県・長野県(奥秩父)
◆登山日:1997年6月8日
◆同行者=窪川先生・西村先生ご夫妻
ここは昔、「十文字越え」と言われて、荒川上流の栃本集落から
白泰山の中腹を捲いて、一里観音~六里観音を経て
千曲川上流の信州梓山集落に通ずる生活道の要所だった。
また札所霊場巡りに、はたまた古には遠く信州和田峠で産出した
黒曜石こくようせきを十文字越えで大宮(秩父)あたりで
鏃やじりに加工したとも言われる古い峠。
秩父からR140号で大滝役場を過ぎ、宮平の交差点を右折して
2kmほど進み、小双里から中津川林道へと入る。
何れ滝沢ダムの湖底になる未舗装車道を、土煙を撒き散らしながら、
紅葉で名高い中津峡を新緑のトンネルを直走り、
志賀坂峠への道と別れ旧中津川林道へと入って行く。
道はよく整備されてはいるものの、
余り広くないし昔懐かしい洗濯板道で良く弾む、
轍(わだち)もあるので、なかなか気疲れする道だ。
ちょっと運転を誤れば千尋の谷底にあの世行きだ。
大事なお医者様三人が同乗なので脇見もせず慎重に運転して、
やっとの思いで無事に三国峠に着く。
奥には信州・上州・武州の三県に跨る三国山がある。
ここから悪石・梓白岩・弁慶岩そして十文字山を越えて
十文字峠に至る登山道もあるが、
距離があり日帰り登山には向いていない。
峠からの眺めは両神山が霞んでいた。
これから下る梓山集落の先には御座山おぐらやまそして
端正な八ヶ岳が望めた。
ここから、高原野菜で知られる長野県川上村の立派な舗装道路を下り、
やがて梓山集落に着き、分岐を左折して落葉松の林道を辿った。
広々としたレタス畑の中を通り抜けて山間に入ると、
道筋の雑木林の中のベニバナイチヤクソウの群落が
車窓から右も左にも目に入る。
やがて毛木平もうぎだいらの駐車場に着いた。
装備を整え、ここから沢沿いを進み、
小沢に架かる小橋を渡った所が登山口だった。
千曲川源流遊歩道を右に曲り、狭霧橋を渡って落葉松の中を
急登し高度を稼ぐ、頭上には弁慶岩か岩峰が顔を出して見える。
やがて路肩に一体の五里観音像が寂しそうにたたずんでいた。
ひたすら高度を上げて行くと枯れ沢となり辺りはコメツガが
目立つようになる。
既に亜高山帯に来ていることを実感する。
ほどなく八丁の頭と呼ばれる尾根を登り詰めると、
コメツガ一色の原生林で幽境の地である。
ほどなく気分のよい尾根道をまくように緩やかな登りとなり、
横たわる倒木には長い年月を経てつくられた苔に覆われた一帯は、
しっとりとした静けさに包まれていた。
この自然界の清々しい雰囲気には、身も心も洗われる気分になる。
ほどなく日の光が差し込む頃には十文字峠に着いた。
シャクナゲが咲き出した峠には十文字小屋があり、
小屋の管理人は女性と聞くが留守のようだった。
十文字峠の見事なシャクナゲ小屋の周りには幸いにも管理人が移植したホテイラン・ツバメオモト・クモイコザクラなどの花が咲いていて感激する。
しばし小屋の前で大休止の後、
十文字峠と言えばシャクナゲと言われている。
原生林の中に咲くアズマシャクナゲの群落を見に小屋の後ろに回り込み、
「甲武信岳」への道を右に分けて左寄りの
「栃本・白泰山」四里観音方面に足を運んだ。
コメツガ・シラビソの原生林の中にアズマシャクナゲの
群落が見事なものだ。
この景観はこの場に訪れた者だけに与えられたもので
花に誘われて来た甲斐があった。
貴重な花々に出会え、充分に深山幽谷の大自然の息吹きを、
生き生きと伝えてくれる世界で強い印象を受けた後、
去りがたい山頂を後に来た道を戻り帰路についた。
★管理人から令和のこそこそ噂話★
6月17日は「朗読の日」です!
日本朗読文化協会が2001年に制定。
六(ろう)十(と)九(く)で「ろうどく」の語呂合せ。
~今日は何の日から引用~
普段、Stand.fmで朗読配信をしています。
最近では、monogatary.comとのコラボだったり、
スタエフさんもどんどん利用者が増えているようです。
聞くだけって方もいらっしゃるようですね。