なぜ人はソシャゲにハマるのか?
こんにちは。最近狂ったようにクラッシュロワイヤルをやっています。たむです。
日本人は1日に35分間ソシャゲをやっているそうで、これは仕事や睡眠などを抜いた可処分時間の中では高い割合です。35分もあれば英単語はどれだけ覚えられるのでしょうか。暇つぶしというにはもったいないくらいの時間です。
なぜ人はソシャゲにハマってしまうのか、などについて行動経済学の観点から捉えた橋本之克著「スゴい!行動経済学」を読んで感じたこと、学んだことをまとめていきます。
ゲームにハマる要素
社会学者ロジェ・カイヨワによるとほとんどのゲームには4要素が含まれていると言われています。
これらの要素はソシャゲはもちろん、普通のゲームにも当てはまります。つまり普通のゲーム以上に狂ったようにソシャゲにハマる理由はこれだけではない、ということができます。
ソシャゲにハマる要素
ソシャゲにハマる要素として本で挙げられているのが以下の5つです。
この単語だけ並んでいてもわからないと思うのでそれぞれ解説していきます。
①損失効果(保有効果)
損失効果とは、人は損をする刺激に対して得をする刺激よりも過剰に反応するというものです。1万円もらえるのと1万円失うのであればもらえるときの満足感よりも失う時の不満感のほうが大きいといった具合です。保有効果とは損失効果が働くことによって一度得たものを失いたくなくなる気持ちのことです。
ソシャゲに置き換えるとガチャで手に入れたレアキャラを使わなくなること、せっかく身につけたテクニックを使う機会がなくなることなどを損失と考え、何となくアンインストールするのをためらってしまいます。
②IKEA効果
IKEAの家具の特徴といえば、「組み立てるのが面倒くさい」と答える人が多いと思います。IKEA効果とは自分が達成した目標や対価を払ったものに対しては高い評価を与えるというものです。家具を組み立てること作業は面倒で省くべきと考えてしまいがちですがむしろこの手間があるからこそ愛着がわきファンになるのです。
ソシャゲに置き換えると手に入れたものの中でも特に努力で手に入れたものに対して愛着が湧く効果です。この愛着が湧いたものに対して保有効果が働くとより強固なものになります。
③ザイアンス効果
これは日本語で言うと「単純接触効果」ともいいます。その物に単に触れる回数が多いだけで好感が湧くというものです。恋愛心理学でもよく耳にしますね。
ソシャゲであればログインボーナスがその最たるものです。「ログボだけでいい」とよく耳にしますが、あれはまんまと罠にはまっているのです。
加えて大切なのは毎回同じ画面、BGMに触れる経験です。これにより単純接触効果の威力が高まります。
④サンクコスト効果
サンクコスト(sunk cost)とはすでに投入してしまい、今撤退しても戻ってこない費用のことを言います。サンクコスト効果とは「費やした時間やお金がもったいなくてやめられない」心理のことです。ギャンブルにハマる人はこの傾向が顕著にあります。MOTTAINAIも無敵ではないということです。これにはワンガリ・マータイさんもがっかりです。
ソシャゲにも同じことが言え、多くのお金や時間を費やしています。それらのサンクコストはもう戻ってこないにもかかわらず、労力を無駄にしたくないという一心で続けてしまいます。もう飽きたな、もうやめようかなと思ってもこの効果により「まあ消すまでもないか」という心理に至らせます。
⑤現状維持バイアスと機会費用の軽視
機会費用とはもしその選択をすることで失った価値や別の選択をしていれば得られた利益のことです。この機会費用を行動経済学では軽視してしまうとと証明されています。もし○○していなかったら、と反省することなくその行動をとり続けてしまいます。
また、もし反省したとしてもそれを変えるのは簡単ではありません。それは現状維持バイアスによるものです。現状維持バイアスとは未知のものを受け入れずそのままの現状を維持しようとする心理的バイアスのことです。
この二つが組み合わさったときにドツボにハマります。
①~⑤までの要素が入り混じったものがソシャゲなので抜け出すのが難しいというわけです。
まとめ
こういった行動経済学の知識があるからといってソシャゲにハマらないわけではありません。現に私はこれを知ったうえでクラロワをやり続けています。
ただこのような心理的な要因がありハマっているということを知ることが重要だと考えます。自分のハマっている理由を客観的に捉えることができ、この要因のどれかを捨てることさえできれば(主に①と⑤)簡単に沼から脱出できる気がします。
またハマる要因を心理学的に説明できるということはソシャゲにハマるのは人として必然ということもできます。ハマる僕たちが悪いのではなく、ハメる企業がすごいのかもしれませんね。
ハマる側ではなくハメる側になれるように行動経済学や心理学を学び、日々の行動の理由を言語化していきたいなと思いました。
読んでいただきありがとうございました。ではまた!!
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