『魂の光』解説年間講座 第3回レポート(前編)
先週に引き続き「エソテリック・ヒーリング年間講座」第5回の後編をお届けするかと思いきや、本日は「『魂の光』解説年間講座」第3回のレポート前編をお送りします。
どちらも月1回の受講なのですが、ちょうど先週2つの講座が重なってしまいまして、『魂の光』の内容を忘れないうちに書いておきたい、という私の記憶装置スペック事情によるものです。
サマーディの4つのタイプ
向井田みお著の『やさしく学ぶYOGA哲学~ヨーガスートラ』では、サマーディ(瞑想)には下図のように4つのタイプがあると説明されています。
一番下の「サンプラッニャータ・サマーディ」は、自分自身を理解するための分析瞑想です。真実を分析して瞑想することでサンプラッニャータ(はっきりとした理解)が生まれます。
そして、「サンプラッニャータ・サマーディ」には下記のように4つのステップがあって、集中する対象を変えていくことで、その対象と自分自身を切り分けて「本当の自分」を認識できるようになっていくとのことです。
サンプラッニャータ・サマーディ4つのステップ
ステップ1は「ヴィタルカ」、物質的な世界と自分を見分ける瞑想です。
この世界にあるものは物質でできています。物質はいつも「私」によって知覚される物。自分の肉体も外の世界のものであって本当の自分自身ではない、ということ。肉体と自分自身、この2つをはっきり見分けるための瞑想です。
ステップ2は「ヴィチャーラ」、感覚と自分自身を見分ける瞑想です。
感覚、呼吸、体の状態は、いつも「私」によって知られます。私たちは自分の感覚も体の状態も知ることができます。感覚と、自分自身の違いを理解するための瞑想です。
ステップ3は「アーナンダ」、経験で得る思いと自分自身を見分ける瞑想です。
感情も、考えも、心の動きです。心はすべて「私」によって観られています。本当の私はこの心を観ている存在。自分と心を見極めるための瞑想です。
ステップ4は「アスミタ」、自我意識と自分自身を見分ける瞑想です。
ステップ1~3で自分自身は体・感覚・心を持ちながらもどれにも限定されない存在ということが分析された後、自我意識ではない、本当の自分自身を理解するための瞑想です。
むむぅ。秘教を学ぶことで、魂こそが本当の自分であって、この”肉体”も、今「むむぅ」て思った”心”も本当の自分ではない、ということは頭では理解しているのですが、それを瞑想によって体感しないといけないということでしょうか。
私は瞑想の実践については全くの初心者なのですが、瞑想をガイドしてくれるアプリとかだとよく自分の呼吸に集中したり、聞こえてくる音に集中したりしますよね。これは呼吸している肉体、聞こえているという感覚、と自分自身を切り分ける練習っぽいですね。でもこの練習を続けていて「ああ、確かにこの肉体は自分自身じゃない」とちゃんとサンプラッニャータできるようになるんでしょうか。そんな気配がしないのですが…
「はい、つべこべ言わずにアッビャーサ(繰り返し反復して努力する)!」というパタンジャリ先生の声が聞こえてきましたわ…
アサンプラッニャータ・サマーディ
サンプラッニャータ・サマーディの4つのステップの後に訪れるもう1段階深い瞑想が「アサンプラッニャータ・サマーディ」です。
自分自身とは何者なのか?肉体、感覚、心の変化を観ている存在である自己に対する分析を終え、分析した事実を深める瞑想です。しかしこの段階でも、心に刻まれた過去の潜在的な記憶、カルマは残ります。
秘教で語られる終着点
ラージャ・ヨーガの最終目的はサマーディを達成することであったり、仏教だと解脱して輪廻転生のサイクルからの卒業を目指したり、あるいみ自分自身(個)を極めることがゴールになっているのですが、秘教ではその続きがあると語られています。
1.熱誠
2.集中
3.瞑想
4.観照
5.イルミネーション
6.インスピレーション
4の観照はラージャ・ヨガで言うところの最終段階のサマーディですが、その先にまだ2つありますね。
サマーディを達成したということは、ブッディ界層(界層についての説明はこの回)に繋がることができ、魂と繋がっていない人間が知りうることのできない叡智にアクセスすることができるようになるということです。
秘教では、その叡智は独り占めするのではなくて、下の界層に降ろすことがサマーディの先のステップとされています。
5の「イルミネーション」はブッディ界の叡智をひとつ下のメンタル界まで降ろすこと、6の「インスピレーション」は一番下の界層の肉体脳まで降ろすこと。ここまでやって瞑想の完成、終着点だということです。
グループ意識がテーマとなっているアリス・ベイリーの秘教ならではの解釈ですね。
解脱したら物質界なんて用無しのはずなのに、イルミネーション、インスピレーションを実践してくれる方々がいるなんて有難い。
卒業後も部活に遊びに来て後輩の面倒を見たり、社会のことを教えてくれる優しいOB/OGのような感じでしょうか?(たいていのOB/OGは偉ぶりがちですが)
自分もいつかサマーディを達成することがあったらそんな愛にあふれるパイセンになりたいものです。