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4つの未来を描くアプローチ:「B.A.C.K.」キャスティング

未来を考える際に役立つフレームワークの1つに「バックキャスティング」というものがあります。

バックキャスティングとは

バックキャスティングとは、まず未来を思い描き、その未来に至るための道筋を逆算して考える方法です。私もさまざまな場でこの考え方を何度も紹介してきました。

これに対して、現在から積み上げて未来を考える「フォアキャスティング」という方法もありますが、フォアキャスティングでは予測可能な未来に帰結することが多い。そのため、あえて大胆な未来を描くバックキャスティングは、アイデア出しやキャリアデザインの場で好まれています。

ただ、私自身、バックキャスティングで未来を考える際に、1つの未来に絞り込むのが難しいと感じることがよくありました。
決定論的な未来ではなく、さまざまな可能性があると考えるからです。

4つの未来で「B.A.C.K.」キャスティング

そこで私は、バックキャスティングを自分なりに再発明できないかと考え、「B.A.C.K.」という新しいアプローチを作ってみました。

このフレームワークは、4つの視点から未来像を描くためのもので、それぞれの視点が「B.A.C.K.」の4文字に対応しています。

B: Bold (大胆な未来)

最初は「Bold」
これは大胆で、恐れずにリスクを取った結果に手に入れることができる未来です。
考えるための手がかりは「自分のチャレンジ」です。たとえば、新しい事業に大胆に投資したり、キャリアの面では転職や独立を検討すること、あるいは新しいポジションを作るようなこともあるでしょう。今の自分が思いつく大胆な選択肢から未来を描きます。

この未来は不確定要素が多いかもしれませんが、挑戦的で可能性に満ちたビジョンが描けます。

A: Adaptive (適応的な未来)

次に「Adaptive」
これは状況に柔軟に対応し、変化に適応していく未来です。
まず手がかりとして「世界の変化」を考え、それに対する自分のアクションを想像することがポイントです。たとえば、技術革新や社会情勢の変化にどう対応していくか。
はじめは変化を思いつくことが難しいかもしれないですが、AIの進化やグローバルなトレンドなど自分自身の興味から敏感になることで、変化に対応するアンテナを高めることができます。

この未来では、激しい変化の中で生き残るための適応力を磨く姿が想像されます。

C: Conservative (保守的な未来)

3つ目は「Conservative」
安全策を優先し、現状維持やリスクを避ける選択をした結果の未来です。
ここでの手がかりは「自分が守りたいもの」。堅実な選択を重ね、リスクを避けながら現状を維持あるいは緩やかに成長する未来です。

これまでのやり方では、あえて大胆な未来を描くことが評価されがちですが、守るべき家族やビジネスの安定を考えることも大切な選択肢の1つです。

K: Keystone (つながりの未来)

最後に「Keystone」。
これはキーマンとなる誰かとのつながりによって生まれる未来です。
ここでの手がかりは「今、あなたが思い浮かべた誰か」。すでに知っている人かもしれませんし、これから出会う人かもしれません。
人とのつながりや協力関係によって可能性が広がり、未来が形作られていきます。

たとえば、ビジネスパートナーとの新しいプロジェクトや、予期せぬ出会いが新たな道を開いてくれる未来です。

多面的に未来を考えるという発想

未来を1つに絞るのが難しいと感じるのは自然なことです。未来は常に不確定であり、多くの可能性が存在します。だからこそ、1つの未来を描くのではなく、4つのラフな未来像を描きながら、各シナリオに沿ったアクションを考えることで、より柔軟な未来への道筋が見えてくるのではないでしょうか。

「B.A.C.K.」キャスティングのアプローチを使って、あなたもさまざまな未来像を描きながら、今何をすべきかを逆算して考えてみてください。複数の視点を持つことで、より豊かで多様な未来が見えてくるかもしれません。

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