「やりたいこと」は「やってみたこと」の中にある
「やりたいこと」が見つからない
「やりたいことが見つからないんです。」
これは、私がよく相談されることの一つです。やっぱり若い人が多いでしょうか、趣味を見つけたいというのではなく、情熱を持って打ち込める何かや、仕事の意味での「やりたいこと」を探しているのだと思います。
その気持ちはよく分かるのです。かつての自分も同じように悩んだことがありますので。
当時、仲のいい友人に「俺の軸って一体何なんだろう?」と聞いては困らせていたことを思い出します。私も何かを見つけたくてもがいていました。
「やりたいことリスト」を作ってみる
そんな人へのアドバイスとして「やりたいことリストを100個書いてみる」という方法はよく聞きますし、実際に効果がある方法ではないかなと思います。自分の中にある「やってみたいこと」を並べることで、自分が何に興味があるのかを再認識できます。
でも、これはあくまで「やってみたいことリスト」で、頭の中に思い浮かんだことを並べただけです。
ここで大切なのは、リストに書いたものを実際にやってみることです。すぐにできそうなことは、すぐにやってしまいましょう。
やってみた結果、「なんか違うな」と感じることもあるかもしれません。
でも、その試行錯誤の中にやりたいことのヒントが隠れています。
リストにあるもので自分ひとりでは踏み出しにくいものがあれば、頭に思い浮かんだ人に相談してみるのもおすすめです。なぜその人が思い浮かんだのかを考えることは、自分のやりたいことに対する新たな視点を見つけるきっかけになります。
リストには上がってこない「やりたいこと」
ただ、私の経験から言うと、本当に自分の「やりたいこと」は、こうしたリストには出てこないことが多いのです。
その理由は、ほとんどの場合探している「やりたいこと」は、どこかでその人の偏愛に近い好きやこだわりとリンクしていて、ついやってしまっていること(時にはどうして自分はこれしかできないんだと落ち込むようなこと)、がベースになっていることが多いからです。
ここでポイントになるのが、他者の視点です。
「あなたってこうだよね?」という他者からみた自分の中にヒントがあったりもします。そういう意味で、いつもの人間関係だけでなく様々なつながりや、コミュニティに参加するのもいいでしょう。ある場所で当たり前のことが、別の場所で価値を持つというのはよくある話です。
また「これやってくれると助かる!」と言うリクエストの中にもヒントはあります。ただし、この場合「こうしてほしい」と頼む側に具体的な方法がすでに見えているお手伝い的な依頼よりも、「もしかして、こういうことってできたりする…?」と頼んだ相手が困って、自分を思い浮かべてくれたケースに注目してみるといいでしょう。
これは「やってみたいことリスト」で誰かを思い浮かべた時と同じ構造になっています。
頼みたいと思ったこと、頼まれたこと、そこにその人の独自性や持ち味が生かされてることが多いからです。
誰かのリクエストから見つかる「やりたいこと」
私のラクガキ講座も実はこんな風に始まりました。
やりたいことリストの中に「会社名ではなく、自分の名前で呼ばれたい」というものがありましたが、何から始めたらいいのか、何をしていいのかずっと考えていました。
一方で、子どもの頃からずっとラクガキを描いていて、「客観的に見ても決して上手くはない。だけど、自分は楽しいんだよなぁ…」と思っていた自分がいました。
そこに個人のブログや普段の会話から「この人なら楽しく伝えてくれそう」と感じてくれた友人が、「自分の絵の苦手意識をなくしたい(けれど、どうすればいいか分からない)」と思ってリクエストをして始めたのが最初の一回。
その想いに応えるために本気で「やってみた」時に、「これがやりたかったことだ…!」と感じたのです。
つまり、「やりたいこと」はすでに自分の中に種のように存在していて、それを他人のために加工したり工夫したりして「やってみた」時に、初めて見つかることが多いのだと思います。
「やりたいこと」という青い鳥
あちこち理想を探し回ったものの実はすぐ近くにあった、という幸せの青い鳥の寓話がありますが、「やりたいこと」は、実はあなた自身がすでに知っていることや、している要素でできた、「まだやったことのないこと」であることがほとんどではないかと思うのです。
そしてそれは気づいていないだけで、あなたの中に答えはすでにあります。
なので「やりたいこと」を見つけるためには「やってみる」しかないと、私は考えています。
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