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43個採卵してしまった私の卵子凍結日記。(1)


「33歳になった時、結婚の気配がなかったら卵子凍結をしておこうと思う」なんて話を28くらいの時、同い年の友達としてた。

いや、正しくはその子の方が卵子凍結を考えていて、私はバリバリ働いて自分で家族を養えるくらいの財力を持ち精子提供をもらって1人でもママになりたい、と思っていた。
(このまま結婚していない場合) いつか出会うかも知れないパートナーとのために卵子凍結をして未来に可能性を残すのがいいのか、精子提供をもらって若い間(30代前半)に子育てを始めるのがいいのか、二人で夜な夜な議論した記憶がある。

それから数年。結局私たちの30代はコロナに始まり、この彼女はいつのまにかおめでた婚で現在は2児のお母さん。
私はというと紆余曲折あり、海外でパートナーのお父さんの介護、老人ホーム探し、葬儀、遺品整理、遺産相続のゴタゴタに巻き込まれている間に34歳の誕生日を迎えてしまった。
そしてそれと同時に自分の父親が急性骨髄性白血病という、71歳肺炎持ちにとってはなんとも厄介な病気を抱えていることが判明した。


私とパートナーはここ数年、様々な事情から自分の人生に一時停止ボタンを押して、家族や周りの、諸事情による仕方ない都合に合わせた生活をしてきた。
いつか自分達の子どもが欲しいという気持ちは変わらないけれど、まずはもう一度自分の人生を生きたい。取り戻したい。
人のお世話や心配をする生活から、まずはブレイクを取りたい。そんな気持ちが一致して、卵子凍結を進めることにした。


卵子凍結をすると決めてから

AMH


卵子凍結を考えたい、パートナーとも話し合いをしなければ、という考えは今年(2024年)の初め頃からあり、色々調べた上でまずはAMHという検査をするところからスタートするのが良いんではないかと思った。
過去8年ほど、ほぼ継続的に低容量避妊ピルを使っていたけど、より正確なAMH検査の結果を得るにはピルをやめて2〜3か月ほどしてから検査を受けるのが良いと読み、まずはピルを止めるところから。
避妊手段であるピルをやめることになるので、その時点で彼には一旦こんな検査をしたいと思っているという話をした。
ちなみにAMH検査というのは、卵巣にどれくらい卵子が残っているかを血中の特定のホルモン数値から打ち出す検査。
「卵子の数=妊娠のしやすさ」ではないらしいが、平均値より過度に少ない、または多いということが分かれば卵巣の健康状態に繋がる病気が判明したり、目標としている卵子凍結の数に達するために必要な採卵回数の目処が立てられる。

グレイスバンク

色々調べている中で≪グレイスバンク≫という卵子凍結のサブスクリプションを担っている会社を見つけた。
最近の嗜好に沿った感じのインスタでの情報発信や、定期的なウェビナーの開催。実際に採卵した人のレポートなど。個人で色々情報提供してくれている媒体はあるけども、とにかく気になる情報がまとめてあることに好感度が持てたし、ウェビナーの完成度も高くて本当に勉強になった。特に、「日本は不妊治療技術があるのに成功率が低い」話で衝撃を受ける。不妊治療を考え始める年齢が遅すぎる傾向にあるらしい。

ただ、どれだけ卵子凍結を頑張っても、100%子どもを授かれる確約にはならない。凍結した卵子が一人の赤ちゃんとして生まれるまでに、色々なハードルがあり、その段階一つ一つでうまくいかない可能性も存在する。
イギリスでは卵子凍結のビジネスを行うクリニックの多くが、誤解を生むようなPRをしていると問題提起しているBBCのドキュメンタリーを観て、それでも進める価値のあることなのか、一度考え直した。「未来の自分に保険を!」と、いう謳い文句には注意。

クリニック選び

3月半ばに2つのクリニックに連絡をとった。

  • 最短で目標数の卵子を凍結するために、どのくらいの日数が必要か。

  • 保険対象外は理解した上で、おおよその金額。

  • いつ初診に伺うのがベストなのか。

1番難しいと思ったのがクリニック選び。周りに卵子凍結を経験した人がそもそも少ないし、敢えて公表している人は更に少ない。そもそも過去十数年は海外に住んでいるので、日本に住んでいる友人の分母もちょっと少なめ…
卵子凍結の過程は途中まではかなり不妊治療と近い。自分から「実は卵子凍結を考えていて〜」と話を始めると、「実は不妊治療してるんだけど」「卵子凍結、漠然と興味はあるんだけど」と話してくれた友人が何人かいた。

クリニックのレビューは総じてかなり主観的な意見も多く、ちょっと当てにならないと個人的に思う。結果、グレイスバンクが提携しているクリニックはある程度の審査が行われた、信頼できるクリニックなのであろう、という大雑把な推測のもと、実家のある県内にある2つのクリニックに連絡を取った。そのうち返答の印象がよく、ウェブサイト上の価格設定がわかりやすい、クリニック自体の雰囲気が明るそう(写真からの推測)方に初診を予約した。

卵子凍結の一連をお願いするクリニックを決めた後、凍結後の保管先を選ぶ必要もあった。先に挙げたグレースバンクに移送して保管してもらう。もしくはこの個人クリニックにお願いする。

グレイスバンクの場合

  • 保管技術が良い(良さそう)

  • 全国の提携クリニックでの利用が可能

5年以内に卵子を使うことになるとして、この先災害があるかもしれないし、クリニックが廃業なんてことがあるかもしれない。どちらを保管先に選んでも、リスクがゼロではないが上記の点からグレイスバンクにするつもりで進めていた。

後々AMH検査などを通して、私の場合は比較的採卵できる数が多そうなので、例えば約30個の卵子を凍結した場合年間の保管料にも大きく差がでるということもあって、最終的にはグレイスバンクにお願いをした。
例えば、お世話になったクリニックでの保管をお願いすると
(3個=20,000円 X 10 ケース = 200,000円/年)
グレースバンクの場合
(15個=35,000円 X 2ケース =70,000円/年)といった感じ。

ただ、クリニックによって保管費用の設定は異なるし、これ以外にも初期費用や転送代など発生したし、私がお世話になったクリニックはその後プランの見直しがあって今現在は多く採卵できる人にも優しい設計に。面倒だけど様々なパターンを想定して費用を比較するしかないと思う。AMHからの想定の採卵数と実際とれた数には私の場合約10個差があったし、あくまで見積もり…

卵子凍結にまでの話が長くなってしまったので、実際してみての感想は次に。


この記事は卵子凍結・保管への理解向上のため、グレイスバンクの提供でお届けしています

#グレイスバンクnoteアンバサダー



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