ハイパーノートチャレンジ2015

【コラム】

 

bar bossaの林さんからのリクエストで「今年最も良かった記事を選ぶ」という超難題をいただいて、さまざまなジャンルの素晴らしい作品が頭に浮かんだのですが、「ああ、この人の作品だ」と案外あっけなく決まってしまいました。

それは、kentaro noteさんです。

noteのわりと初期から月いちペースで連載している四コマ漫画『あたまのうえにおうちがひとつ』が個人的に実にしっくりくるんですね。
女の子(女の人?年齢不詳)がある日目覚めると頭のうえにお家が建っていて、家の煙突からは煙がもくもく出ていたりする。中に小さな人が住んでいたらどうしようと考えたり、飼い猫のニャアに意見を求めたり、ニャアを頭にのせて隠したり、とりあえず町に帽子を買いに行こうと舟をこいで海をわたったりする(島に住んでいる)。
その世界観を構築するデッサンのやわらかさや色づかいのセンス、描かれる対象の風合い、ゆったりと流れる時の間合い(だから話が一向に進まない)、たまにしか続きがあがらないのでタイムラインに登場すると「おー!」と情報量の少ない四コマをジーっと凝視してしまうのです(ちなみにここでご紹介することをご本人確認していません。もし問題あれば即刻取り下げます!)。

note上にはほんとうに素敵な絵描きさんがたくさんいて、十人あげなさいと言われればひょいひょいと名前が出るし、仕事の関係で「誰かいいイラスト描く人いない?」なんて聞かれると、noteのなかにいっぱいいるから覗いてみたら、なんてお薦めもしています。そんなレベルの高い絵描きさんたちなので、ここはごく個人的な好みで決めるしかなかったんですね。なにせ、note初期の時点から、このkentaro noteさんと灰谷魚さんのお二人は、「なんだこの人たちは!」とまわりの人に興奮気味に話していましたから。

ということでお一人選ばせていただきましたけど、ほんとうは物書きさんや音楽家さん、写真家さんを合わせると最低二十人くらい選ばないと気がすまないところですが、ここはグッと堪えておきます。

そして、林さんも灰谷さんも(たぶん、奥ゆかしいので)選んでいませんが、こんぴゅさんの記事を読むと本当は自薦もするルールなんですよね。
僕の書くものはほんとうに閉じた世界のものが多いので、広くみなさんにお薦めするには無理があるのですが、敢えてあげさせていただきます。
 
もうひとりのぼくへの手紙
そして対となる
右側の扉

どちらも2015年に書いた詩です。たぶん苦手な人が大勢いるはずなので、読み流してください。

では、バトンを渡すという最後の難関ですが、たぶん僕がここで名をあげて許してくれそうな人は一人しかいないんじゃないかと思っていまして……
戸田鳥
さん、受けていただけますでしょうか?
戸田さんにお断りされてしまうと僕のルートはここで途切れることになります。

戸田鳥さんは多くの方がご存じの通り、本物の小説を書く人です(僕のデタラメなそれと比べ)。ファンタジックな世界観にときたま毒や闇が混じって、マザーグースのような味わいに読後ホーとしばらく脳内で反芻してしまいます。
僕はnoteの作品だけでなく、電子書籍でnote非掲載の作品まで追いかけているファンなんですね。

受けていただけるかどうかはわかりませんが、作品を見る確かな目をお持ちなので、戸田さんの選ぶ作品を純粋に知りたいなぁという思いを伝え、僕の役割を終えようと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

 

tamito

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