利権まみれの世界の原発政策
日本の福島原発事故や処理水放出のことは、ひとまず置いておいても、ロシアによるウクライナへの侵略戦争でも、ウクライナ国内の原発の占領や攻撃で、あれほど危険だと、西側諸国(もちろん日本も、そして私という個人も含めてだ)では大騒ぎしていた。
そして、殆どの西側諸国が世界はより戦争や紛争が起こりやすくなっているという認識のもと、対話よりも軍拡を重視しているのは明らかだろう。つまり原発はこれから、常に戦争やテロ攻撃で被害を受けるリスクと隣り合わせなわけだ。
気候変動がもたらす様々な災害を考えても、どの国の、あるいはどの企業も、少なくとも他国の原発の安全性など、何十年先まで保証できないはずだ。そして、原発処理後の高レベル放射性廃棄物をどう処分するかという明確な答えは全く出ていない。
ああ、もしも私が生きているだけの間なら、別にどうでもいいだろう。そうそう、ドンドン原発を作って、おそらく何十年に一度は必ず起こるであろう、世界の何処かの原発リスクさえ乗り切れば、後はどうなろうが気にする必要など無いであろう。
だが、人類史において、これほど危険な廃棄物質を、その管理方法、処分方法もわからないまま、さらに原発を増やし次の世代へと引き継ぐことを決める、無責任で出鱈目な世代は存在しなかったのではないか?
それを世界中の先進国のリーダーとやらが、口を揃えて、「やろう」というわけだ。私には無責任で狂っているようにしか見えない。
未知のウイルスで大騒ぎした今の人類が、そして、イスラエルとパレスチナ、あるいはアラブ世界と西欧の人種的、宗教的対立さえ、未だに解決できない国際社会、とりわけ先進国と自称する国々が、人類史上もっとも危険な廃棄物を永久に生み出し続ける原発を管理するだけの能力が、本当にあるのか? 自分の国さえ安全ならいいとばかりに、いやどうせ自分は安全なところにいるから大丈夫と、原子力の周りで生まれるであろう金に踊ってるだけじゃないのか?
私にはこれに賛成した22カ国のリーダーは、原発ビジネスの利権に取り込まれているだけにしか思えない。そして、一番原子力の怖さを知っているであろう、広島出身の岸田首相には、ほとほと愛想が尽きた。
処理水の放出だけで、これほど騒がせた日本が、どの口で、「原発推進」なんて言えるのだ? どうして、せめて日本の政治家なら、あの震災の日の恐怖を思い出せないのだろうか?
何十年たって、必ずまた「想定外でした」と言い逃れ、誰も責任を取らない、出鱈目な大人たちの姿が見えるようだ。
原発ホワイトアウトに書かれていたことが、まさか、本当に現実に成るとは思わなかったが、やはり人類は本当に愚かすぎるのだ。あるいは、カネに目がくらみすぎるのだ。
残念なことに、清志郎は、もういない。