イスラエルが正当性を持つには

凄く簡単なことであり、これこそ世界の指導者がイスラエルの首脳に会うたびに100回でも伝えなければならないことは、パレスチナの入植地から、イスラエル国籍を持つ市民に退去してもらい、土地をパレスチナ自治政府に返還することである。

それを、この地はトーラーに定められたユダヤの民の土地である等、様々な理由をつけて拒む人がいるなら、そのようなイスラエル国民をイスラエルの警察なり軍なりが、パレスチナ人を捕らえるのと同じように逮捕し、強制的に退去させればいいだけなのだ。

もし入植者に補償が必要なら、それこそイスラエル政府が補助をだすなり、アメリカからの軍事支援をそれに当てさせるなり、世界に支援をお願いするなりすればいい。 

イスラエルが自国のパレスチナ入植地からの完全撤退を明言し、誓約し、実施すると明確にし、国際社会(イスラエルを支持するアメリカやイギリス、ドイツ政府は当然責任を持つ)が、その施行を見届けない限りいかなるパレスチナ政府も、民衆の支持など得られないだろう。

すなわち、彼らの中に、だったらイスラエルという国家など成立すべきではない、という過激な組織が生まれて、彼らにとっての聖戦を挑むのは当然なのだ。

パレスチナを支援するテロ組織を認めないのと、イスラエル国家が責任を持って行う入植地からの完全撤退は、それぞれの立場から見れば、完全に同義である。

国際社会の矛盾は、イスラエルによる入植を、国家による侵略、テロ行為と断じないことだ。 これを認めるなら、ロシアによるウクライナへの軍事侵略は正当化せざるを得ない

(軍事侵攻に至るまでの過程はイスラエルによる入植と、本質的に同じである。)

入植を今から止めるのではない。イスラエル国民が入植した将来のパレスチナ国家となるべき土地からの完全なる撤退である。入植を認める国際社会は、イスラエル国家によるテロを支持しているのと同義である。

アメリカ、イギリス、ドイツは、テロ国家を支持している。支持していないなら、黙認している。黙認しているなら、パレスチナ側の抵抗も黙認するしか無い。イスラエルへのテロを非難するなら、イスラエルによる入植という侵略行為を先ず非難しろテロを止めたいなら、入植地を解放しろ。

イスラエルが絶対に認めないなら、国際社会が一致団結して強制的にでもイスラエルによる入植地を開放してパレスチナに与えるしか無い。答えはこれ以外にないし、これ以外の解決策とは、結局は、より強いものが弱者を侵略する事を認めたに過ぎない。

そうであるなら、弱者によるありとあらゆる手段の抵抗は、永久に起こり続ける。それをテロとして批判し糾弾し、力で何度も押さえつけるなら、正義など国際社会に存在しないということだ。お題目を唱えているだけである。