ハマスを支持する一般市民はハマスなのか?

ハマスという集団の、対イスラエルにおける(彼らに言わせれば、イスラエルとの闘争で、そして定義によってはテロ行為)武力行使について、その方法論と、事実行ってきた行為を否定するのは当然だと思う。

また、いかなる組織もグループとしてのお題目と、個々の構成者が行っていることに乖離が生じたり、その階層によって、考えていることが全く違うのも当然だろう。

イスラエル政府が「ハマスを支持する、ガザ地区の一般市民の犠牲よりもイスラエル国民の安全を優先する」と、考えるのも賛同はしないが、第三者として理解できる。

もっとも、イスラエル政府は、ハマスは一般市民を盾に利用しているというのであるから、パレスチナ人の多くが、他に様々な活動を行ってくれる組織があって、ハマスと比べることができるような状況にないということも理解しているのだろう。私は閉鎖されたガザ地区の住民の殆どは選択の余地など無いと思う。選択の余地がなければ、ハマスを選ぶしか無いのである。

つまり、ガザ地区の住民は、ずっと前からハマスを選ぶしかなく、ハマスに協力するしか無いというのも理解しているはずだ。

さて、自国防衛、自国民の安全を追求する、もしくは自衛権として、イスラエル政府の言い分を認めるとしよう。つまり、一般市民であろうがなかろうが、テロ組織を支持したり、その支配をあまんじて受け入れている一般市民の犠牲がいくら増えようが、イスラエルの自衛権が優先されるという、論理だ。

それを認めるなら、パレスチナのネタニヤフ政権が行った全ての、パレスチナ人への非人道的行為は、結局はそんな政権を選んだイスラエル人の責任であり、それを支持してきた全てのユダヤ人の責任であるという、単純な事実も、絶対に認めなければならない

残念ながら、今回のハマスというテロ組織による(イスラエルにとっては間違いなくテロ組織であろうし、ユダヤ人にとっても、そうであろう)残虐行為のずっと前から、イスラエルのネタニヤフ政権という、極右シオニストによるパレスチナ人への抑圧、残虐行為は、続いてきたのだから、ハマスの残虐行為を批判するのと同じく、イスラエルのネタニヤフ政権が行ってきた数々の残虐行為も批判されて然るべきだし、そのような残虐行為を認めてきたイスラエル国民は、パレスチナ人から言わせれば、極右政権を支持し、選挙で選びつづけた主体者として、パレスチナ人の自衛権より下にみなすべきであるという論理も、認めるしか無いだろう。

つまり、ハマスがイスラエルの一般市民の敵であり壊滅されるべき集団なら、ネタニヤフ政権と彼に従うイスラエル軍は、パレスチナの一般市民の敵であり、壊滅されるべき集団なのだ。

ハマスはイスラエル国民にとっては、テロリスト集団である、だが、そのテロリストを壊滅すると言っているネタニヤフ政権は、パレスチナ市民の殆どにとって、ジェノサイドを続ける極悪な非人道的政府であり、それはこの戦争のずっと前から、そうだったのだ。イスラエル=テロ国家と彼らが考えたとしても、至極当然であり、イスラエル国民はテロ国家の支持者たちであると、パレスチナ人が考えたとしても、私には間違っているとは思えない。

それなら、イスラエル政府と戦う、イスラエル軍と戦うのは、テロ国家の武力組織と戦うということだ。彼らをテロリストと呼ぶのに疑問はないだろう。つまりは、イスラエル軍 VS ハマスは、テロリスト同士の戦いということだ。

こんなもの、あらゆる第三国は、即時停戦させたほうが良いに決まっているだろうが。そして、イスラエル政府のテロリストたちと、ハマスのテロリストたちを捕らえて糾弾し、国際機関で捌けば良い。。

ハマスの構成員達を抹殺するのと同じように、多くのホロコーストの首謀者、実際に手を下したものが、彼らが国家や軍の命令に従っただけでも裁かれたのと同じように、イスラエルの極右主義者たちも捌けば良い。入植者たちも裁けば良い。彼らもテロリストにすぎないのだから。