ブリリアンという名の流れ星
2017年の春ごろだったと思う。
そのときのわたしはなぜかは忘れたけど、すっかり気持ちがお笑いから離れていた。
1、2年に一度たまに精神が落ち込む"暗黒期"がくる体質なのだけど、その時だったのかな。もはや記憶がない。だってそれ以降が濃すぎて。
おもしろ荘でブルゾンちえみwithBが流行っていたことも、35億がなんなのかも、おもしろ荘から数カ月経ってもピンときてなかった。なんとなーく知ってるだけだった。(もうそのときはお笑い番組もまともに見てなかったんだな私。)
ある日たまたま見た、スポーツ男子がなんたらの番組にブリリアンが出ていて、『あー、withBの片割れが出ているなー』『 へぇ金髪がコージっていうのか』、くらいの気持ちで見ていた。
ある競技で、押されて負けそうになっているコージさんを見て相方のダイキさんが思わず立ち上がる。
『浩至!!』
カメラが立ち上がるダイキさんに一瞬追いついてなかったので、台本でもなんでもなく、本気で立ち上がって叫んだのだろう。
わたしはその姿を見て雷に撃たれたような衝撃をうけた。
相方のこと下の名前で呼ぶの? え、しかもそんな一生懸命応援するの?
withBとして振る舞ってるときはまったく喋らないクールなイメージなので、そのギャップがすごかった。
相方を健気に支える芸人がめちゃくちゃ大好物なわたしは直ぐ様彼らについて調べだす。
なるほど正反対の性格やスペックで、でも身長はぴったし一緒で……ほほう……と気になってた矢先、
さらにロンハーのどっきり企画でのちえみさんへの健気さにさらに心が鷲掴みにされてしまった。
とても久しぶりに、歳の近い男性たちにときめきを感じていた。知れば知るほど魅力的で愛おしく感じるのだった。
それまで持っていた『芸人なのに顔がいい男なんて……』というカタい考えはあっという間に投げ捨てられて、もうとにかく好きならいいや!顔が良い! と思うようになってしまった。
(芸人さんは面白さを褒めるべきだ!と鼻息荒く語る若いお笑いファンの皆さん、人の価値観なんて歳とると変わっちゃうのよ。覚えておいてね。)
彼らを見るためにインスタも始めたし、初めてワタナベのお笑いライブに行ったし、色んなテレビ番組を久しぶりに見たし、そのうち色んな場所での営業ライブに行ったりするようになった。
毎日毎日、彼らのことを追いかけたり考えたりしてるのが楽しかった。本当に久しぶりに、充実した生活を送っている実感が持てた。
そのうちワタナベの他の沼にもハマりだして、ハナコ、新作、今はラパルフェまで手を伸ばし毎日さらに楽しい日々を過ごしている。
いまが今までの人生で一番楽しい時期だと思う。自信をもってそう言える。
一方で、ちえみさんの舞台だったりドラマだったりが増えてwithBとしての活動が減り、さらにブリリアンとしての活動も減って、徐々に陰りが見えてきたくらいには、私の興味も少し減りつつあった。
それぞれに好きではあったけど、やっぱり二人が並んでいるときが一番好きだったから。
そして、3月10日の解散。
アカウント名が個人名になってたり色々と兆候はあったので覚悟はしてたけど、やはり実際にそうなると、悲しいものだった。
死んでしまったわけではないし、ちえみさんが『またネタをするときは招集する』と言っていたので、永遠の別れではないものの、それでもやはり寂しい。
せめてお互いがちゃんと納得していて、仲が悪いから別れたわけでないことだけは信じたいと思っている。
ブリリアンのおかげで私はたくさん友達もできたし新しい経験ができた。たくさん行ったことないところに行った。見たことないテレビ番組を見て、聴いたことないラジオを聴いて、読んだことない雑誌を読んだ。
今まで知らなかった芸人さんに出会える機会も増えたし、そのおかげで今の楽しい生活がある。
楽しかったことやときめいたこと、Brillian(t)の名前のとおり、たくさんの輝きをもらったと思う。
彼らは流れ星のようだった。
眩しく輝いて、あっという間に見えなくなってしまった。
たくさんの人の願いを叶えながら。
もちろん私のも。
ずっと忘れないだろうな。
ブリリアンというコンビを応援していたときの喜怒哀楽、愛やときめきを、いつまでも忘れない。
本当にありがとうございました。
これからのおふたりのそれぞれの道に、輝きがありますように。
(でも、いつかwithBとして1日だけでも復活してくれる可能性を、こっそり期待してたりして。頼みますよ、ちえみさん!)