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夏と歓声、白熱と

夏である。
なんだかんだで例年通りに終わった梅雨はオリンピックを連れてきて、日本中は賛否、歓声、メダルの数で盛り上がっている。

私の記憶が正しければ、巷で爆発的に何かが流行するのは人の脳みそが溶け始めるような季節で、世間が薄手のコートを着始める頃には脳が正常に戻るらしく、何事もなかったかのように落ち着いていく。そしてその温度差について行けない私に指を差しながらこう言うのだ。

「タピオカ?いつの石器時代の話をしてるの?」

私は縄文土器の中のタピオカを不機嫌な顔でプコプコとすすり、世間に背を向けてクーラーの下で「ダルい、暑い、疲れた」を連呼している。当然、私の頭が冷え切っていることは言うまでもない。

恐らく、私がオリンピックに白熱するのは師走頃だろう。そしてその頃にはまた言われるのだ。

「あー、オリンピック。あったね。」
私と世間の温度差は北半球と南半球のように恐らく縮まることはない。

がんばれ選手!
がんばれオリンピックに関わってる某!
日本一遅くオリンピックを楽しみにしているぞ。

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