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万博で無限ループ/おもろければそれでいい
5時半起床。息子に朝飯を食べさせて、車にボールや用具を詰め込んで万博公園近くの試合場所へ向かう。「お母さん道間違えないでね」と息子に言われたが、いきなり道を間違えて箕面方面に行ってしまう。裏道のような道に出て、太陽の塔がチラリと見えたのでホッとする。息子は助手席で寝息をたて、気づかれなかった。ルートから外れても結局はたどり着ける。人生みたい。保護者たちと合流して、さっそく「道間違えたわー」と話すと「前も同じようなこと言ってなかった?」と失笑いただく。そう、毎度お馴染みです。試合は昼過ぎまで。風は冷たく身体を揺らしながら応援する。相手チームの子どもたちが円陣をつくり、話し声が聞こえてきた。その中でいちばん精悍な顔つきの少年が率先して先ほどの試合について振り返り、仲間に意見を促す。小学六年生とは思えない佇まい、落ち着きに驚く。なるほど、試合中も彼が率先してアタックもディフェンスも積極的に動いていた。目の前のことに集中し、仲間を引っ張り、自ら身体を張って責めていく姿勢は武士みたいだ。こういう子たちの頭の中はきっと数年先、数十年先をイメージして今動いてるんだろうな、と思わせた。試合終了、身体を張ってクタクタになっている息子を車に乗せ、本番はここからだ。去年の帰り、万博外周の道をぐるぐると無限ループにはまって、なかなか出てこれなかった魔の道。今年こそはっ!と意気込んでまんまと今年もハマってしまう。4車線のループはキツい。今年も後方の車に迷惑かけながら右折レーンへ移動して、またループにハマってしまうという地獄絵図ふたたび。隣でのんきな顔でおにぎりを頬張る息子。なんかムカつく。よくわからんルートを出してくるナビにキレながら、信じられるのは自分のみ。ナビは信用できない、地図を血眼で見ながら、ルートを無視して道を選択すると、やっと行きたい道へ出られた。毎年同じことを繰り返している自分に呆れながら、やっと無限ループを出られた安堵、馴染みのある171号線、京都方面の標識をみてホッとして急に眠気が襲う。腹一杯になった息子が隣で爆睡。眼球を最大限まで開ききりながら帰路についた。万博へはもう車で行きたくないっ。次回の練習で母たちにトホホ話を披露し、「またあ?」と大いに笑われること確定。そしてまた試合か何かで行くことになり無限ループにハマっている自分を想像できた。最短ルートでストレートに涼しい顔で生きている人生ではなく、自ら突っ込んで道を間違え寄り道しまくって血眼で生きている人生。おもろければそれでいい気もする。
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