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ずっこけ歴史巡行①ひょんなことから国際交流編

こちらの記事の続編です。


歴史巡行当日。ドーランを塗るので、化粧水など付けずにノーメイクのままお越しくださいの指示に従い、眉毛が柴犬程度しかない顔で会場へ向かう。20代の時、ノーメイクで外へ出歩くなんて絶対ムリ!!だったことを思い出す。今では大概朝のゴミ出しの時はノーメイクだし、今回も全然平気で自転車で外へ出れたので、すごい、これが加齢というものか・・と軽く震えた。
8時半に受付。老若男女が集う中学校体育館。人でごった返す中、先に化粧をしてもらいにいく。待っている間に隣の女性に話しかける。違う校区だが共通の知り合いがいて、世間は狭い、と思う。順番が回ってくる。ベッタリとドーランを塗られる。これがドーラン・・セメント塗られてるような気分や・・。数人のメイクさんたちで大量に人をさばいていかねばならないので、5分くらいであっけなく終わる。付近に鏡がないのでトイレでチェックする、どれどれ、、え、志村けんのバカ殿?気のせいだろうか・・まあいいやと、無表情で二階へ衣装の着替えへ向かう。同じ校区で参加するCさんと合流。彼女は侍女役。お互いに楽しみが止まらないバイブスを出し合う。着付けの順番を待ちながら、じっと正座して観察する。この人はベテランの着付けの先生やな、この人はまだ浅いアシスタントっぽい、など。どうせならベテランの先生がいいなと思っていたら、じゃあ次あなたね、とその先生がやってきた。
アシスタントが補助するも、この方が慣れていない様子で、先生は声こそ荒げないが、「あのね、紐をね、ここに置いといてちょうだい」と静かに指示。アシスタントは「・・」と返事なし。それに挟まれる私。地獄。これが東映の撮影所だったら・・と思うと身震いする。着付けもあっさりと終わり、かつらをつけてもらうために、また下の体育館へ。化粧も着付けも終わり、あとはカツラだけという中途半端な人たちが待機してる中、一人の若い外国人美女の隣へ座る。隣同士でみんな和やかに喋ってる人が多数な中、彼女は一人ぽつんと座っていた。話しかけると彼女の顔は和らぎ、すぐに会話は弾んだ。日本語が非常に流暢で、オランダ・アムステルダムから日本へきて1年未満だという。名前はクリスティ。着物を着てるがほとんど天使にしか見えない。「今日初めてここへきて、緊張してたから話しかけてもらって嬉しい」といって可愛らしく微笑み、わたしも異国の文化を知りたい欲求が強いので、最初の5分間はお互いが食い気味に質問の嵐となる。クリスティのことを・・アムスのことを・・もっと知りたい・・!とこちらが押すと、向こうもたくさん質問してきて、積極性と積極性のぶつかり合いで、若干ガツガツしてる男女の図、みたいになった。そこへフラッとCさんが合流。実はクリスティと働いてる会社が一緒だということが判明。昔から浮世絵などの日本の芸術に惹かれて日本語を勉強し始めた、とか、どこの国が好きか、好きな食べ物は?国内で好きな地域は?とか、まるでマッチングアプリで意気投合した男女のように、3人で話が一向に途切れることなく盛り上がる。クリスティは朗らかな笑顔を絶やさず、時折謙遜などの控えめな部分も見せつつ、爽やかさに溢れていた、大谷翔平の嫁の真美子夫人みたいやないか、と心の中で思う。好かれる要素しかない人っているんだな・・。いいご両親に育てられてきたんだろう。そういえば、夫の友人のキュラソー出身のベルノンもアムステルダムに住んでいる。何度か我が家に遊びにきたことがあるが、彼も人柄の良い青年だった。アムステルダムはそういう人が集まる都市なのだろうか・・。
昼前に助六寿司が配られ、小学生の女の子がこういうの苦手、と言っていて、激しく同意した。大体味覚が子どもと一緒なのである。それでも腹は減るので、巻き寿司を口に放り込み、おいなりさんは持ち帰ることにした。いうてる間に、本番が近づき、各歴史衣装に身を包んだ我々は、巡行スタート地点へゾロゾロと移動し始めたのである。


つづく


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たみい
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