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卓球界における「ワンパンマン」「響」問題。

どこでも「スーパー中学生」がもてはやされていますね。先日は、卓球の張本選手が14歳で全日本選手権を優勝してしまいました。

最近では、鈴木るりかさんという方が14歳の誕生日に「さよなら田中さん」という単行本小説を出したそうです。やばい。

各作家や漫画家などが一斉に賞賛のコメントをしていて、メディアにも取り上げられているようです。

僕は13歳の時、「13歳の決心」という名の訳の分からない文章を原稿用紙20枚くらい?に渡って書いたことがありますが、最近読み返すと本当に読めたものではありません。才能が開花するスピードが早くなっているような気がします。

そこで、思いました。これは「リアル響」だと。

どういうことか。「響」とは高校一年生の天才小説家が主人公の漫画です。彼女が文芸編集部に送った作品が、あまりにクオリティが高過ぎて、文壇がざわつきます。やがて、響は数多の小説家をけちらしてスターになっていく、、というのがおおまかな話の流れです。

けちらされた小説家達は、「俺達一体何やってるんだろう」みたいな感じで凄く悩みます。

この「1人の天才対その他大勢」という話の構成はワンパンマンでも同様であると「ロースおじさん」は言っています。

一発のパンチで敵をやっつけてしまうほど強過ぎる「サイタマ」を前に、敵やライバル達は悩み、諦め、葛藤するのですが、ぶっちゃけ「その他大勢」の人達のやりとりや心理描写が面白いのです。

どんなに強過ぎるやつが出てきても、「何の為に自分は戦うのか」を自問自答しながら、ヒーローとして戦う「その他大勢」の人々に共感するのです。

そして、似たような状況が「スーパー中学生」が現れたことで、現実に起きているような気がしてならないのです。

実際、V10を目指していた水谷選手が、「何回やっても勝てない」「先に優勝しておいて良かった」と語るほどの14歳の中学生がどこにいるのでしょうか?ある意味、張本君は「サイタマ」になり、「響」になってしまったと言えなくもないです。

張本君と全日本で当たった森田侑樹選手は、かつて関東学生ではほとんど負け無しの大エースでした。「かつて」って言いますけど、そんなに遠い昔じゃないです。前に試合をした僕の先輩が「森田選手はボールの次元がちょっと違った」というくらい、球の凄みがあったという話を聞いています。

しかし、森田選手は今大会本当にこてんぱんにやられてしまいました。試合が終わった後の卓球FMのインタビューでは「奥さんからは『卓球がもう違うね』と言われました」と語り、今後の現役続行について聞かれると明言を避けました。

自分は28歳ですが、僕が大学で卓球をしていた時に同時期に活躍していた選手がどんどん引退してしまって、凄く寂しいです。大島選手の先輩である笠原選手、御内選手は頑張っていますが、、

何が言いたいかっていうと、「1人の天才」に目を向け続けるよりも、「その他大勢」と言うには申し訳ないくらいの沢山の才能を持った選手達に目を向けて欲しいと思うのです。そうしないと、色んな意味でつまらなくなってしまう。

これはどの競技や種目、業界でも同じことが言えると思います。皆さんはどう思いますか?


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