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機材ROOM3(QUAD CORTEX購入をお考えの方へ1年以上使用したギタリスト的見解)

こんにちは、タメカワハウス家主のタメカワユウヤです。
久しぶりの機材ROOMへようこそ。

前回の機材ROOMのご紹介

前回はワタシがfolcaで使用しているエフェクターボードの紹介をしました。
内容はギタリストに向けた記事でしたが、少しでも色んな方に分かってもらえるように、エフェクターボードを家として捉え、ご説明しました。
その結果、無駄に難易度があがった記事に仕上がりましたので、物好きさんは是非ご覧ください。

今回は話題のNeural DSP QUAD CORTEX

上記の記事で使用している多くのコンパクトエフェクターと、さらにはギタリスト/ベーシストの後ろに鎮座するアンプヘッド・スピーカーさえも全て詰め込んだ「なんでもこい屋さん」が登場したここ数年。ミュージシャン界隈を賑やかしています。今回、なんでもこい屋さん系機材の中でも音のクオリティ、使いやすさの面で特に注目されている「QUAD CORTEX」をワタシが購入して1年半程使用しましたので、ご紹介したいと思います。

重量について

個人差こそあれど、バンドの機材車を持ち、それに乗せて機材を運搬しているギターリストの機材量はこんな感じです。

ギターヘッド 約20kg
ギターキャビネットスピーカー 約35kg
エフェクターボード 約20kg
合計 約75kg

folcaサポートドラムで強靭な力を貸してくれているイトゥーナオヤさんくらいの重量

QUAD CORTEXは、この屈強な体つきの男性1人分の重量から放たれる音が全て詰め込まれている機材なのです。
オールインワンと言えど、どれだけ大きな装置なのだろうかと思われても仕方ありません。
その重量、、、

ずばり


1.95kg!
軽すぎます。

うちのワンコが子犬だった頃くらいの重さ

よくミュージシャンが話す内容で
「ホイポイカプセル(©️ドラゴンボール)あったらいいのになぁ」
「スモールライト(©️ドラえもん)あったらいいのになぁ」
というセリフがありますが、
この機材は2020年代におけるホイポイカプセルまたはスモールライトなのではないでしょうか。

まずお伝えしたのは重量だけの話でした。
次に最も大事なサウンド面をお伝えします。

QUAD CORTEXのキャプチャー機能に迫る

さて、重量的には持ち運ぶ上で、圧倒的な利便性があることをお伝えしました。
このQUAD CORTEXには、購入した時点で様々なアンプ、キャビネットスピーカー、エフェクターなどが使用できますし、音のクオリティも高いので、初期装備で使用しても十分ではありますが、ワタシが今回注目したいのはキャプチャー(実機のコピー)機能です。

エフェクター実機をQUAD CORTEXに接続し、音をコピーさせて、QUAD CORTEXに取り込むことができます。
わかりにくい方はドラゴンボールのセルが、悟空の技「かめはめ波」を撃てたり、FFシリーズのモーグリが、敵の技をラーニング出来たりするのと同じようにお考えください。

QUAD CORTEX & 実機エフェクター 格付けチェック

クオリティが高いと文字で書かれても分からないよという方のために、今回はこのクオリティを皆さまに実際に聞いて頂きたく、QUAD CORTEXがキャプチャーした音とエフェクター実機の音を録音しました。
※QUAD CORTEXのループに実機を繋いで録音したので、両者のエフェクター以外の環境は同一となります。

せっかくなので、どちらがどちらの音かは次の段落で載せます。
格付けチェックに参加しているような気持ちで軽く聞いてみてください。

Q1 VEMURAM Jan Ray  or  QUAD CORTEX

QUAD CORTEXでキャプチャーした「VEMURAM Jan Ray」サウンドと、実機サウンドの比較です。
前半後半どちらが実機、どちらがQUAD CORTEXキャプチャーでしょう?
※携帯でご覧の方は「Listen in browser」を選ぶとページ移動せず聞けます。


Q2 Bogner BURNLEY  or  QUAD CORTEX

QUAD CORTEXでキャプチャーした「Jan Ray+Bogner BURNLEY」サウンドと、実機サウンドの比較です。
前半後半どちらが実機、どちらがQUAD CORTEXキャプチャーでしょう?


Q3 Bogner BURNLEY  or  QUAD CORTEX  その2

2問目と同じ組み合わせです。次はロー弦主体のフレーズで弾いてみました。前半後半どちらが実機、どちらがQUAD CORTEXキャプチャーでしょう?


Q4 Death By Audio FUZZ WAR  or  QUAD CORTEX

QUAD CORTEXでキャプチャーした「Jan Ray+BURNLEY+Death By Audio FUZZ WAR」サウンドと、実機サウンドの比較です。
前半後半どちらが実機、どちらがQUAD CORTEXキャプチャーでしょう?
※FUZZサウンドで音が激しいのでビックリしないよう注意

格付け 解答編

いかがでしたでしょうか。
実際、大きな機材を持込めない際のライブ現場で使っておりますが、一緒に演奏しているプロのミュージシャンからも実機サウンドに限りなく近いとお墨付きを頂いております。

それでは解答です。
Q1 前半:実機エフェクター 後半:QUADCORTEX
Q2 前半:QUADCORTEX 後半:実機エフェクター
Q3 前半:実機エフェクター 後半:QUADCORTEX
Q4 前半:QUADCORTEX 後半:実機エフェクター

皆さまの格付け結果はいかがでしたでしょうか。
当てられなくても、全く気を落とす必要はないので、軽い遊びとしてお考えください。

約1年半程使用したワタシの意見です。

まず、家のDAW環境で使う分には全くストレスはありません。家でギターを録音する際に、多くのアンプを持ち込んで大音量で鳴らす事ができない人がほとんどだと思いますので、そのような人には即戦力です。

ライブ現場で使用する上で感じた部分をいくらかお伝えしておきます。

①スイッチ幅がせまい為、踏み外しが増える。

これは省スペースや軽量小型化する上で、宿命になる部分です。スタジオ利用や自宅利用ではあまり気にしなくていいのですが、ライブで使用する上での、ペダル踏み外しミスは、地味ながら大きなミスとなるので回避したいところです。
改善方法
別売りのMIDIスイッチャーを使用する。
結果的にスペースと機材量は増えますが、ライブクオリティの方が大事ですので、導入した方が良いです。
別売りのスイッチャーのスイッチ幅が狭かったら意味がないので、スイッチ幅広めの商品を購入した方が良いかと思います。

MIDIスイッチャー候補(あくまで個人的観点)

②ライブハウスレンタルのアンプにリターン挿しする場合、パワーアンプによって音が変わる

QUAD CORTEXの中でヘッドアンプを設定して、音は実際のライブハウスにあるギターキャビネットから出したい場合に、QUAD CORTEXのアウトからライブハウスアンプのリターンに挿します。
これによりパワーアンプはライブハウスアンプのパワーアンプを使用して、スピーカーもライブハウスのキャビネットを使用して音を出すことになります。
ライブハウスのパワーアンプにより音の出方が変わるので、音量感もアンプによって変わってきます。
改善方法
いつも安定した音を出したい場合は、パワーアンプを持ち込む事が必要になってきます。結局機材が増えるのです。とにかく省スペース、機材量を減らす必要がある際は細かいことは割り切りましょう。

パワーアンプ候補(試してみたい程度)

最後に

QUAD CORTEXしかり、今後登場するであろうデジタル機器全般に言えることではありますが、弾いている本人が人間という究極のアナログですので、デジタルとのお付き合いの仕方に慣れる必要があります。
特にデジタルへの移行を経験している我々のような世代は、音楽機材でなくてもぶつかる部分かと思います。

「こんなに軽くて楽な思いをして、いい音を出していいのだろうか。」
楽にいい音を出したいと思って行動しているにも関わらず、真逆の思いが湧き上がってきます。変ですけど、湧き上がってきます。

コンパクトエフェクター愛好家がコンパクトエフェクターのダメなところを楽しそうに語るように、デジタル機器の出来すぎたりする部分や、デジタルの割に処理が遅かったりする部分を愛してあげる必要があります。
だんだん話の流れが音の有益な情報から逸れていっている気がしていますが、割と本気です。

結局、付き合いが長くなり、数々の苦楽を共にすると、愛着も湧くものかと思いますので、購入を考えている方は長いお付き合いを考えて、思い通りにいかない部分に工夫を凝らしてみてください。
そして情報を共有できたら嬉しいです。

長文お読み頂きありがとうございました。
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