
INPEX(1605)について解説します
今回は、INPEX(1605)について解説します。
INPEXは、日本を代表する石油・天然ガス開発企業です。
経済産業大臣が筆頭株主になっていたり、黄金株を発行していたりするなど、他の上場企業とは一味違う銘柄です。
最近の決算では、累進配当を導入して、積極的な株主還元姿勢が個人投資家のあいだで話題になっています。
それでは、INPEXの基本情報や株主還元について解説していきます~
INPEXについて
▶基本情報

INPEXは、石油・天然ガス開発を行っている企業です。
ネット生産量は、日本で1位・世界で11位で、米国エクソンモービルや英国BPなどのスーパーメジャーに次ぐ中堅ポジションに位置しています。
日本の年間エネルギー消費量の約1割を生産しているので、とても社会的責任が大きいです。

INPEXは、上記5地域を中心に事業を行っています。
1番規模が大きく、利益を稼ぎ出しているのはオーストラリアのイクシスLNGプロジェクトです。こちらは後述しますが、「INPEX=イクシス」と言ってもいいくらい、ロマンのあるプロジェクトになっています。
LNG:天然ガスを極低温(約-162℃)まで冷却して液体にしたもの。液体にすることで体積が大幅に縮小され、効率よく貯蔵・輸送が可能になる。
▶企業の特徴

特徴1つ目は、上流工程を担っている点です。
上記の図の通り、エネルギー業界は上流~下流の領域があり、それぞれのポジションにあらゆる企業がいます。
INPEXは上流である「開発・生産」を担っています。
上流を担っている企業は、INPEXやJAPEXなどの数社しか存在せず、日本企業の中ではかなり特殊なポジションです。

特徴2つ目は、イクシス一本足打法になっている点です。
図の通り、主力プロジェクトであるイクシスは、会社の利益のおよそ6割を創出しています。
「莫大な利益を上げるドル箱プロジェクト」という良い側面がある一方で、「利益を依存する一本足打法」という悪い側面もあるので、これをどう捉えるかによって評価は変わってくると思います。

イクシスについては、クリーン化や設備拡張によって、更なる成長も目指しています。
これらの投資は現行設備の拡張で済むので、経済的にも少ないリスクで実行することができます。
配当について
▶株主還元方針

INPEXの株主還元方針です。
新中計では累進配当の導入を始めました。
総還元性向は50%以上としています。

累進配当は、1株90円を起点としています。
これにより、2027年までの3年間は安定した配当金が期待できます。
個人投資家としてはこの上ない安心感です。
▶配当金・配当性向の推移

配当金・配当性向の推移です。
2010年に14円だった配当金は、15年後には90円になりました。
業績的に変動が大きいエネルギー業界ではありますが、配当金に関しては安定した右肩上がりで増加しています。
ここらへんは経営陣の高い株主還元意識が見て取れますね。
まとめ
今回は、INPEX(1605)について解説しました。
資源の乏しい島国である日本にとって必要不可欠な企業であることは間違いなく、実際にINPEXの筆頭株主は経済産業大臣です。
そんな企業が累進配当を導入した安定配当銘柄なら、保有しない手はありません。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました\(^_^ )