「成長」
今回はショートショートではなく、僕の話しをします。
僕は生きることについてよく考えます。よく。
それは死について考えることにもなります。
ここから先、死という言葉が多く出てくるので嫌な方は踏ん張ってください。
でも、正直昔は死について考えるようなことはなかった。
考えるようになったきっかけは、両親の死。
断言してもいい。
死は美しくも儚くもない。
そこにあるのは、ただの死。
死に向かって、1つずつできることが制約されていく。
死に向かっていることを実感しながら。
当人も見届けている人間も。
映画やドラマのようにきれいな顔で死ねる人間はどれぐらいなのだろうか。
知りたいけど別に知らなくてもいいか。
少なくとも僕の両親は生きている人間の顔ではなかった。
これが死ぬことなのだと知った。
「人の死は人を成長させる」
よく聞く言葉。
そうなのだと思っていた。
成長するものだと思っていた。
だが、実際は何も変わらなかった。
ただ、分かったことがあった。
両親が死ぬ前までは、いつか必ず死ぬものとして理解はしていた。
ただ、理解しているのと現実として直面するのとでは訳が違う。
人の成長とは現実を現実として受け入れること
なのだとしたら、もしかしたら僕は成長できているのかもしれない。
いや、そんなことはないか。
正直、なるべく死について考えないようにはしている。
ネガティブになったり、過去を思い出し、後悔しそうになるから。
燃費が悪い。
だから、リアルな事件だったり、フィクションでもそのキャラクターのバックボーンが想像できたりする作品は見ないようにしている。
生きている以上、考えるのが好きな僕にとっては、2つの意味で死に纏わりつかれている。
人の死はいいものではない。
でも、僕は生きている。
これは現実。