![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85735347/rectangle_large_type_2_54c2a13086f3c73e38aa25d4da635746.png?width=1200)
チームのみんなが一つになって価値を作っていくために。TAMデザインテクノロジーチームの現場で取り組むチームビルティング
こんにちは、TAMTOのパートナーの松尾です。
私はもともとTAMのスタッフとして働いていました。現在は主にTAMTOの若手エンジニアの教育関連であったり、案件の進行サポート、技術面のアドバイザリー業務などで関わらせてもらっています。
本業はスクラム開発におけるスクラムマスターです。今回はスクラム開発というわけではありませんが、自身のスクラムやアジャイルの経験をふまえて、TAMTO チームのチームビルディングに関わったお話をさせていただきます。
チームワークを大切にしたいと考えている理由
これは私の志向の話なのですが、いつもチームワークの良い環境で働きたいと思っています。
個人でできることには限りがあって、いろんな強みを持った人たちと協力し、チームでなければ達成できない価値を作り出していく。フリーランスやパートナーとしての参画であってもそこは変わりません。チームで取り組む仕事のスタイルが好きです。
過去には、「チームワークがなってない」とメンバーに愚痴られるような環境もありました。ただ、チームワークって勝手に生まれるものではないですね。誰かがお膳立てしてくれるものでもない。
それぞれが自律的に、主体的に動いて、チーム全体としてゴールに向かっていくイメージ。TAMTOの案件であれば、プランニング/コンテンツ/デザイン/エンジニアリング etc… 職種を超えてスムーズに連携されているような状態です。
私はもともとバックエンドエンジニア出身で、プロジェクトの工程としては一番最後の部分を担当するケースが多くありました。
悪いケースでは、案件の終盤になってから急にアサインされ、そこでは技術的な課題が検討されないまま仕様やスケジュールが FIXしており、「どうすんのこれ!?」となった経験もあります。
エンジニアも上流工程から関わり、クライアントと「なぜ作るのか、何を作るのか」という所から話し合って、ビジネス的に意味のあるものを作りたい。その部分からチーム全体として方向性を合わせていけば、結果的によりよい価値を生めると考えています。
チームと、分業と、協業について
これは案件のタイプによりけりなのですが、分業スタイルでは難しくなってきたプロジェクトが増えてきているように思います。
企画、設計、デザイン、開発。これらのフェーズを順番に行えばいいタイプのプロジェクトであれば、職種別の分業スタイルでも問題は起きにくいでしょう。それぞれが流れに沿って、自分の担当領域を終わらせていけば良いわけです。
![](https://assets.st-note.com/img/1660032452628-smO7LE4sKx.jpg?width=1200)
ただ、各工程が切り離しにくい、複雑なプロジェクトが最近は増えてきているという実感があります。いったりきたりメンバーでボールを渡しつつ、職種間で一緒に考えながら進めていくことが必要なケース。
これを分業スタイルで進めようとしても、かえって手戻りが多くなってしまいます。職種を超えたチームとして、協力しながら一緒に歩いていく必要があります。
また昨今のリモートワークという、お互いの顔が見えづらい状況の中で、どうやって一緒にゴールへ歩いていくか。今回は、そういった部分のお手伝いをさせていただいています。
「チームは同じ列車ではなく、同じ車両で旅をしなければいけない」
これはサッカー指導者のフアン・マヌエル・リージョ氏(現マンチェスター・シティのコーチ)の言葉です。
それよ。そういうことよ。チームのゴールの認識を合わせたうえで、同じ車両で進んでいきたいのよ。
透明性とタスクボード
さて、具体的に何から始めよう、というところで。
まずはプロジェクトの健康状態を分かるようにしたい。特に、特定の誰かに負荷が集中していないかを、気づけるようにしたい。もし不健康な状態だと分かれば、それを良くするにはどうすればいいか、話し合える機会を作りたい。
今回のプロジェクトでは、まずはタスクボードと朝会の導入を提案させていただきました。
すでにプロジェクト管理システムとして Backlog が導入されていましたので、Backlog のボード機能を使い、プロジェクトに必要なタスクを出していきます。いわゆる「カンバン」というやつです。
![](https://assets.st-note.com/img/1660032483301-8l0Ndgzohy.jpg?width=1200)
全体としてどんなタスクが必要で、誰が今どのタスクを持っているのか。進行状況はどうなっているのか。これらを見えるようにし、プロジェクトの透明性を高めます。
リモートワークということもあり、個々人の状況は以前よりも不透明になりがちです。タスク量もそうだし、忙しさ、心情的な負荷やストレス面も見えづらくなりますよね。
タスクボードなどを使ってプロジェクトの透明性を高めることで、メンバー同士が協力するきっかけが生まれます。
単純に忙しさの度合いがチームメンバーに伝わるようになるだけでも、一定の意味はあると考えています。少なくとも、誰が何を抱えているのか、どれが滞っているのかが見えないと、他のメンバーは自主的に手伝いたくても動けません。
今回はプロジェクト全体の進行を Backlog のガントチャートで押さえつつ、「今週の状況」をタスクボードで見えるような工夫を入れてみました。
定例ミーティングで確認
タスクボードの他にもう一つ提案させてもらったのが、定例と朝会の2つのミーティングです。
チームは普段はリモートワークで、非同期なコミュニケーションで作業を進めています。そんな中でも週に1度、集まって情報を同期する定例ミーティングを設定しました。加えて、途中経過を確認する朝会も導入しています。
定例ミーティングでは(ビデオ会議でですが)全員で顔を合わせ、画面共有をしながら制作物をデモしたりして、進み具合を確認していきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1660032554196-3sJpfHhbt1.jpg?width=1200)
みんなで一緒に出来上がっていくものを見るのは、単純にテンションが上がりますね。オンサイトだと気軽に一緒にモニタを見て動作確認していたものが、リモートワークだと行われなくなっていたりしませんか。
実際に動くモノを一緒に確認する、という点は、あらためて忘れないようにしたいと思っています。また、「もっとこうしたらどう?」といった、より良くするための話も、同期的に話す方が熱を持って行えるように感じています。
全員で、正直にリスクや不安を共有する
タスクボードと定例・朝会を導入するうえで、大事にしていたことがあります。それは「全員でリスクや不安について共有する」「それを正直に話せる雰囲気を作る」ということです。
ボードや定例ミーティングだけを導入しても、ヤバいことをヤバいと言い出せない状態では意味がありません。結局、プロジェクト終盤に課題が表出する羽目になってしまいます。
進行状況はもちろん、小さな気がかり、ちょっとモヤッとしたこと、などを早い段階でオープンにできる雰囲気。また、職種や人によっても違う観点からリスクが見えたりしますので、全員が率直に発言でき、助け合えるような雰囲気。そういった場作りを心がけていました。
この場作りについては、毎週の定例内で行っていた「ふりかえり」も有効だったと考えています。(ふりかえりについては、また別途紹介できればと思います)
まとめ
昨今は、分業による流れの決まったプロジェクトではなく、みんなが協調してこそ成し遂げられるプロジェクトが増えてきていると実感しています。
ビジネスの成功というゴールに向けて全員で歩いていく。自律的に、自分ごととして動けるチームワークを、みんなで作っていく。そういったチーム作りのお手伝いが、今後もできればと思っています。
今回はタスクボードによる透明性の話でしたが、今後は前述した「ふりかえり」の定着に取り組みたいですね。早く課題を見つけて、ふりかえって改善する、というサイクルをチームで回せるようになれたら最高です。