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"KAWS ONE" KAWS


月に一回投稿!と決めているので、何かテーマを決めて書かないと長続きしなそうだなぁと思い
趣味で集めているART BOOKの紹介をしていくことにした

第一回目は
“KAWSONE” 2001年 リトルモア

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KAWSの説明は有名すぎるので特にいらないと思うんですが
この本を紹介するにあたって、一つだけピックアップしておきたいことがあって、今でこそ、オリジナルキャラクターをメインに作品を作り続けているKAWSですが、元々はグラフィティーアーティスト(壁の落書きね)からスタートしているということ
何故、そこをピックアップしたかったというのは後ほどw

あと「この本を紹介しよう」と思った理由に
2021年7月16日から森アーツセンターギャラリーで、大型展覧会「KAWS TOKYO FIRST」が行われるというニュースを見かけたから

https://www.fashion-press.net/news/67505

参照記事にも書いてあるけど、この「KAWS TOKYO FIRST」というタイトルは2001年にパルコギャラリーで行われた個展のタイトルと同じもので、今回紹介するこの”KAWSONE”はその初代「KAWS TOKYO FIRST」の際に販売された作品集、タイミング的に面白いかなと思って選んでみた

A5サイズ80ページと、サイズは小さめだがそこそこのボリューム
そもそも当時の価格で1600円だったので、値段以上の満足感はあるんじゃないかな
掲載作品のほとんどはパルコで行われた「KAWS TOKYO FIRST」で展示されていたもので、3分の2は、彼のトレードマークでもあるクロスボーンが刺さった目がばってんのスカルのキャラをキャンバスにペイントしたものだった
ちなみに、当時のパルコに実際の展示を観に行ったのだが、写真やTシャツで見るとイラストレーターを使っているようにも見えるタッチだけど、実際にハンドペイントでキャンバスで描かれていた
この時期はシンプソンズのキャラのパロディーがメインで、あとはモノクロで描かれたミシュランのキャラのパロディ

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残りの三分の一はどんな作品かというと、そこにこの本を紹介したい理由がある
残りの作品は、ファッションフォト、ブランドの広告の上にKAWSのキャラが絡み付くように、または顔の部分にキャラをオーバーペイントしているものだ
当時展示を観に行って「いいなぁ」と思ったのはこっち系の作品だった
特に、実際に街中に貼られていたブランドの広告にペイントしてある作品は、見た目ももちろんだが、その表現方法にも惹かれた
今もあるのかわからないけど、当時NYには写真のような鍵のかかったフレームの中に広告が掲載されていたのだが、KAWSはその鍵をどうやって手に入れたかは知らないけど持っていて、勝手に広告を抜き取り、その広告にオーバーペイントして再び入れ直すという行為をしていた
もちろん違法行為だが、作品のクオリティやユーモアが評価され、ブランドから広告の依頼がきたというストーリーも残っていたはず(確かCKだった気がするけど、うろ覚えなんで間違っていたらごめんなさい)

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ここで彼が元々グラフィティーアーティストだったということを思い出してほしい
当時のKAWSに惹かれたのは、この手法がグラフィティに通じるストリートアートだったからだ、というかこれも一種のグラフィティの形なんじゃないかと解釈していた
かつては壁やシャッターだけではなく、列車にまで描かれていたグラフィティアート
違法行為だが、そこまでのリスクを負ってでも表現したい衝動、反骨精神にはどこか心を打たれてしまう
その辺のカルチャーを知りたい人はぜひ「WILD STYLE」や「STYLE WARS」などの映像作品を見てもらいたいと思う
今のKAWSはミュージアムで展示をしても沢山の人が集まるアーティストだが「見て欲しい!!!」という強い衝動は、ストリートでの作品の方が強く感じた
これはあくまで個人の好みの問題だけど、ミュージアムで観るKAWSも、diorの商品の中で見るKAWSもかっこいいけど、個人的にはこのスタイルのKAWSが一番好きだ
おそらくもう2度とこういったスタイルで作品は発表しないと思うので、この本でストリートアートをやっていた頃のKAWSを知ってくれたら、7月から行われる展示をより楽しめるんじゃないだろうか

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