組織に完全にフラットな関係性などない
今年の夏、全国のMBA生が勢揃いするコンペに出場しており、私のチームは、30代の社会人経験者2人、23~24歳の学生というチーム編成であった。このコンペは1ヶ月程度で今後10年程度の戦略を0からまとめねばならないというスケジュール的に厳しい戦いであった。その戦いを経て、わかったことがある。それは「組織に完全にフラットな関係など存在しないということである。」
我々のチームの社会人のはものすごく丁寧で優しい方々で、年が浅い我々に対して、かなり気を使って「〜くんはどう思う?」など聞いてくれていた。それによって発言すること自体は問題なくできていた。ところが、それだからといってフラットな関係であったとはあまり言えない。
私がそれを強く実感したシーンは2つある。まず1つ目は、意思決定の瞬間であった。議論がぶつかり、「AとBどっちにするのか」みたいな瞬間がある。そしてAかBかを論理的に判断できないときは、直感的に決めざるを得ないときが多々あった。そのときに、ほぼ100%の確率で年長者の意見が取り入れられていった。次に2つ目は全体の議論のリードである。全体の議論は、年長者がリードすることが多かった。その影響もあり、「今日はこの辺にして次回までに考えませんか??」みたいな発言を若者がすることはかなり難しく、ダラダラと延長するシーンもあった。
一見すると雰囲気がいい組織でそこそこ活発な意見交換が行われていても、意思決定や全体のリードには個人のパワーが色濃く出た。これはどのような組織でも同じであり、フラットな関係性などあり得ないのだろう。そして、組織のパフォーマンスを決めるのは結局はパワーを持つ人の判断力に委ねられると痛感した。