さぁ就活を解き明かそう。〜第一回・就活のジレンマ編〜
私は就活を2回(学部&大学院)経験しており、2回目の就活は、目の前の道を歩むと同時に俯瞰して見ておりました。その経験から就活を解き明かしていくという生産活動を行いたいと思っています。
第一回目は、「就活のジレンマ」です。就活のジレンマとは「目先のインターン対策や本選考対策に取り組みすぎると、本来の学生生活(学業or/and課外活動)が疎かになり、結果的に自己分析が進まない(自分がやりたいことが見えない)ことや、中身が薄っぺらい人間に見られることで志望企業から内定を得られないという現象です。
この論理に類似した論理をどこかで見たことがある方もおられるのではないでしょうか?そうです。あの有名な「イノベーションのジレンマ」です。イノベーションのジレンマのユニークな所は、「優良企業だからこそ躓いてしまう」といういわば、逆説的なロジックです。破壊的イノベーションに淘汰される理由は、「劣悪な企業経営」が根本原因ではなく、むしろ経営陣が優秀だからであり、優秀すぎる持続的技術の活用が、破壊的技術に直面した時に経営を傾かせるのです。
就活でもこれと同じ現象が起こっているのです。目の前のことに一生懸命だからこそ、就活試験に最適化し、様々な対策を講じます。しかし、それが仇となるのです。後に自分が何をしたいのか/何が向いているのかを考えられず、ガクチカを磨き上げることもできず、結果的に選考で破れてしまうのです。
具体的なケースで説明しましょう。A君は大学3年の春から就活をはじめました。そしてそこそこ対策を行い、1dayインターンに多数参加できた一方で、人気の複数dayインターンに参加することはできませんでした。次は秋インターンの季節になり、これまた対策を練り直し、面接を受けに行きましたがこれまた落ちてしまいます。この流れが冬も続きます。そうして気づけば本選考。負け続けたことで自信もなく、多くの業界に手を広げ、色々な会社を受けることになります。その結果、浅い志望動機や弱いガクチカになり、ほとんどの企業から祈られる。という末路です。これはほんの一例ですが、類似した現象はかなり起こっている気がします。
ここで疑問が湧いた人はいるのではないでしょうか。そう。インターンです。インターンに参加することで自己分析が深まることや向き不向きがわかるのではないか、つまりは少なからず就活に役に立つのではないかという疑問です。結論をいうと、あまり意味ないと思います。やはり、一定期間、物事に本気で取り組むことで自己分析は進みますし、そもそもインターンなどたかが数日かつ実務とは程遠いので、向き不向きなどわからないと私は思います。
では、どうすればいいのか。私には二つの結論があります。まず一つ目は、大学2年までに何かに真剣に取り組み、3年以降は就活に本気で取り組むこと。しかし、そんな器用なことができるのはごく一部の人です。なので、もう一つの解の方がベターです。それは、就活の開幕のタイミング(1~2月)まで、就活市場に参入せず自分がやりたいことに熱中し、インターンはスルーすることです。ここで、「インターンに参加しないとヤバいのでは?」と思う人も多いと思います。結論をいうとヤバい企業とヤバくない企業があります。戦略系コンサルといった業種はインターンルート以外の採用がないのでヤバいです。一方で、日経大手などはそもそもインターンに参加したところで、本選考が軽く免除されるだけなので、大した価値はありません。
この示唆は少しは皆さんの参考になるのではないかと思います。是非、みなさんがいい就活をできるようになるよう祈念いたします。