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昨夜のこと

昨夜のこと

夕食の直後にお腹の調子が怪しくなった。おかしくなるような変わったものを食べたわけでもなく、思い当たる原因がわからず、にも関わらずどんどん痛みを増し、片付けた終わる頃には腸が痙攣するような痛み

合わないものを食べたらまず胃が痛くなって吐く
吐ききれなかったものは下から出る
下から出るときは腸液がどっさり出てたいして痛みはない

昨夜のは胃の痛みはあまりなくて、いきなり腸が激しく蠕動して痙攣するような痛み
消化管の内容物を蠕動だけで絞り出そうとしているようで、出るものも固形物から粘液状になり、最後は食べたものがそのまま出たのかと思うようなニオイと形状
こんなことって初めてで何が起きたのかわからなかった

トイレとリビングを何度も往復して消化管の内容物が空っぽになり、ようやく激痛は治まった。激痛に耐えた疲労感と汗を流したくても、余力も気力も無く、着替えもせずベッドになだれ込むように横になった。

すぐに眠りに落ちた。

気がつくと窓の外は真っ暗で、間接照明の薄明かりが灯る無機質なインテリアの部屋にいた。診察台のようなベッドで、頭の方が僅かに高くなっている。少し身体を動かすとすぐに人が来た。

「悪かったわね
痛かったでしょう
最初のパターンを読み取るときに
消化管を空っぽにしておいた方が
バグが起きにくいから
仕方なかったのよ」

どうやら私は「転送」されて宇宙船にいるらしい。この異星人たちのデータに登録された、ということのようだ

地球人とよく似たヒューマノイドで、肌の色はグレーっぽく、髪は白、眉が無くて目は小さめだけど瞳が大きいのか白目が見えない。最初に話したのは女性で、男性もいた 

わたしたち地球人の感覚は三次元に適応していて、時間軸と重力に縛られていること

今、地球上で起きている諍いや社会問題(格差や差別)などは、時間軸と重力からもう少し自由になれば解決できること

時間軸から自由になるには偏見を手放して物事をあるがままに観る必要があること

重力から自由になるには空間の歪みを感知するセンスが必要であること

空間の歪みは偏見が強いと感知できないどころか歪みを増強して抜け出せなくなること

地球人と惑星間移動ができる異星人の違いは、郵便の配送システムとemailの違いのようなもので、構成要素が元素レベルでは共通していても構築したシステムが異なるのだということ

今、地球人が右だ左だとか、DSが、イルミナティが、あっちだこっちだと対立や支配関係の中にいるのは、広い宇宙の観点で見れば微細な違いで争っているにすぎず、個人の意識が「正解」ではなく「調和」を目標に設定されればかなり状況は変わること

転送したときに得たらしいデータと、ベッドに横たわった状態でスキャンしたデータを見ながら腹部や関節に触れたり、関節を動かしたりしながら淡々と彼らには地球人がどのように見えているのかを話してくれた

他にもいろいろ言っていたはずなんだけど、理解が全く追いつかなかったことは記憶にも残らず、もったいないことをしたと思う

覚えているのは、気がついたベッドから移動することなく、再び眠らされ、気がついたら自分のベッドにいたこと

一瞬のことだったのか、実際に地球時間でもそれなりの時間不在だったのか、単なる「夢」だったのかわかりようもないことなので、覚えていることだけでも書き残しておく


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