人恋しいくらいでちょうどいい
友人の結婚式のその後に、久しぶりな友人たちと会った。久しぶりだからか話は途切れることもなく続く。もう一軒、もう一軒と店を重ねていく。いくら話をしてもし足りない。店を何軒か変えたあと、話に一応の区切りをつけ、それぞれの場所へ戻っていった。
また会える。そのことを知っているのに、なかなか離れられない。たのしい時間を終えるのがもったいない。まだまだ楽しい時間を過ごしたい。
近況を聞き、昔を思い出し。ぐるぐると話はらせんのように動いていく。同じ場所にとどまり重なっていくエネルギーは、だんだんと濃く強くなっていく。そうすると遠心力が働いたみたいに、その場からぴゅんとはじき出されそうになる。友人たちという塊から、私だけがはじき出されるような心地になる。後味の悪い、もさんとした気持ちがたのしさにこびりつく。たのしさの輝きにくすみを生じる。
くすみを生じるくらいなら、はじめから早めに抜け出せばいい。離れがたいなと思うくらいのときに、自分から離れればいい。
少しだけ寂しさを残す。人恋しいくらいでちょうどいい。