ぬけがら、に飽きた
ひとつ。きゅうっと集中してモノコトにあたっていると、終わった時に抜け殻になる。
これまでの、ほとんどの時間と脳みそのスペースを費やしてきたモノが終わって。ぽこんとできた大きな空き地。
自分の住んでいた町を歩いていて、自宅のあるはずのところに戻ってきたら……大きな空き地になっていた。
そんな感覚。
空き地を目の前にして、呆然とするしかない。
何度も、何度も。呆然とするときを繰り返して。
抜け殻な感覚が続いていたけれど、ようやく飽きた。
なにもない、更地になっていた空き地に、もしゃもしゃと勢いよく草が生えてきたような感覚。草たちは、まだ、小さな芽なのだけれど、いずれ木になる芽もまじっている。
この芽を育てて、どれを残して。どういった景色を作るか。
それをたのしみに思う心が戻ってきた。
さて。
これから、どう動こうか。
たのしみな春にする。
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抜け殻になっていたのは、卒業のせい。
でも、たのしく「恋」をしたような時間だった。ありがとう。
花散った後には、実、みのる。