2022/8/13(土)マイナスではなく、ゼロに戻りつつあるだけのこと
書けば書くほど読む人の元気を奪いかねないんだったら、私はもうなにも書いちゃいけない。変なところで自分に厳しすぎる私は聞こえない声まで拾ってしまいます。
ダウナーな曲が不思議と人の心を慰めることもあるように、またアップテンポの曲が時にはただ人の神経を苛立たせるだけのように、世の中にはいろんな言葉があったほうがいいのです。
そういう質のものを書けるといいな。
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日々の暮らしでいろんなことを思います。コロナ前にはもう戻れないな、ウクライナ前も、もうないな。未来に明るさを求めることが現時点ではとても難しい。
そんな中でふと思うのは、違う違う、今までが異常だっただけなのだと。
食べ物が余らせるほどあり、余るほどあるおかげでいつでも安く手に入り、食べたくないものは食べなくてよく、食べやすいものだけを食べていればよかった。食べにくいものを食べやすくする工夫などもはや手放してよく、ましてや伝承などする必要もなくなり。
今思えば、そっちのほうが異常だよね。
安く手に入るから助かると思っていたものの食品表示をよくよく見ればなんだかよくわからないものがいっぱい添付されている。シンプルなもので作るより様々なものを添付するほうが安く作れるというからくりはなんだ?
食べても食べてもおなかがすく。血糖値のマジックなんだ。甘くて吸収のいいものはそうなる。おなかがすくからさらに食べる。ずっと食べる。安い菓子パンは素晴らしい。高級食パン最高。ほんとうに?
私たちにとっての適量、本当はいったいどれくらいなんだ。
体が本当に欲している食べ物はなんだ? 体調、季節、年齢、活動の違い。同じに語れるものじゃない。
完全に見失っていないか。
見失っているからこそ「ダイエット」などという訳の分からない行動をしなければならなくなる。食べても太らない。なんだそれは。食べたら太るよ。だったら食べなきゃいいでしょ。何を言っているのだ。強欲の極み。
おかしなことをしているから本来やらなくてもいいことが必須になる。
マスコミは悲観する言葉を並べ立てます。悲観する言葉は耳目を集めます。人の不安をかきたてるだけかきたて、どうしたら不安を解消できるんですか教えてくださいと視聴者たちは次に救いの方法をマスコミに求めます。
するとマスコミはあれをしなさいこれをしなさいこういうものを買うのはどうだろうこういうサービスもありますよそうすべてはお金で解決。
あれ?この構造、カルトと何が違うんだ?
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もしかしたら根本から、スタートから、なにかが間違っているのかもしれないんです私たち。
私たちは今いるところが「そうとうの高台」であることにまだ気づいていないのでしょう。いや正しくは砂上の楼閣か。本物がそんなに簡単に手に入るわけない。
まがいものをまがいものと気づかず、いや、それってつまり私らまがいものだけで十分生活できるってことの証なんですけれども、そのくせまがいものが手から一つ一つ失われていくことに凄まじいまでの恐怖を覚えるのです。
思えばもともと私たちはゼロだったんじゃないのか。
不当に奪われる歴史のほうがずっとずっと長かったのではないのか。
私たちは幸せを奪われようとしているのではなく、幸せなどもともとなかったことを思い出させられているだけではないのか。
いやこれも違う。私たちが幸せだと思わされてきたものもまた、まがいものだったりしないか。
私たちが大事に味わってきた幸せは、本来もっとシンプルでささやかなものだったのではないのか。
お金を出して遠くからわざわざ買ってきたものじゃない。ましてや外注できるものでもない。
身の回りにあるもの。身の回りからちょっとの工夫で、知恵で、作り出せるもの。そんなかけがえのない伝承を、今どれだけの人が手放してしまっていることか。お金で手に入るまがいものたちのせいで。
一部の人たちは煽ります。政府のせいで我々は奪われる、殺される、不当な扱いをいますぐやめよ!
違うよ。これまではずっと政府が守ってくれてたんだ。それがなくなりつつあるだけ。これまで守ってくれてたこと自体が奇跡なんだ。
日本に生まれてきたというだけで、日本国籍だというだけで、私たちは分け隔てなく数限りないプラスで包まれていた。こっちが奇跡なのです。
そう、今私たちはマイナスに向かっているのではなく、ゼロの時代に戻りつつあるだけ。何も奪われてない。殺されてもいない。
助けなどない本来の時代に戻りつつあるだけ。
それでも日本を含む先進国の政府というものは良心的だから、それでもなんとかそれぞれの国の庶民を守ろうとしているものです。たぶんね。
私たちも身の回りの誰かを少しでも助けたいと思っているでしょう。だったら私たちの代表であるはずの政府だって本来は同じなはず。
ただしまがいものだらけのプラスでね。まがいものは必ずしも悪じゃない。たくさんの人を救うにはまがいものの力を借りるしかないということも、いい加減私たちは知らないと。
未来の希望が見えないなら今を生きるたくましさを思い出し、なんとかして取り戻すしかないというだけなのでしょう。
そもそも私たちが見てきた希望など。理想など。
もう振り回されるのはよしにしましょう。自分にとってのまがいものと本物とを冷静により分けてみたい。本当に大事なものだけが残ればいい。
今起きていることはその転換点だという気がします。
武者修行中です。皆様に面白く読んでいただけるような読み物をめざしてがんばります。