見出し画像

2022/8/27(土)お酒の話から


 週に一度くらいは更新しないといけないかなと。

 例の国税庁のアレについてはTwitterでさんざ毒づいて気が済んでしまったのでここでもう一度書こうという気になれません。あれはひどい。BBCにも取り上げられてやんの。
 倫理観が先進国政府のそれじゃないのが世界にさらされたわけで、かつ、「なぜ国が酒類の販売を認め管理しているのか、そしてそこに税をかけることの意味とは」について尋ねられても、ここのお役人たちはまともに答えられないんじゃないの、という疑いを持たれたんじゃないでしょうか。

 日本のお役人さんたちの頭の中というのは反社の方々と同じであり、酒もタバコも公営ギャンブルも、これは素晴らしいシノギだぞとしか考えてない。そう取られても仕方のない提案です。

 ちなみにお酒に対する私の考えは2つ。
 国税庁さんに真っ向からケンカを売る考え方とも言えます。

 ① お酒を飲む人の数を策を弄してまで能動的に増やすことにまず大反対ですし、今現在飲酒習慣のある人に対しても「これ以上の量」をさらに飲ませるような提案にも大反対です。
 (「そんなこと一言も言っていない」と反論されるでしょうが、いやいやそういう意図ですよね)

 ② 「酔うために」体に有害なまでの量を飲む人の数が一人でも減り、「味わうために」体に害のない量のお酒をゆったり楽しめる人の数が一人でも増えますようにと心から願っています。

 こんな人ばかりになったら税収入がっつり減りそう。
 だけど良質のお酒を造る人たちの収入増にはなるかな。私たちの幸福度も健康度も上がると思うんです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 コロナ禍で多くの人が喜んでいることの一つに「行きたくもない酒の席に行かなくて済むようになった」があるはずです。
 本来飲まなくていいお酒を飲む機会が減ったおかげで体調が良くなった人もいるのではないでしょうか。

 私は「気の合う人たちと飲むお酒」が大好きです。一方で「不快な人と無理に飲むお酒」がいかに不味くて苦痛なものかも知っています。
 この騒動のさなか、無理に飲むお酒から解放された人たちが少なくなかったであろう事実をまずは喜びたいと思います。
 外食産業さんや国税庁さんには頭の痛い話でしょうけれどそこは申し訳ない、長期的な経済視点から見る能力に欠けていますのでね私。精神的・健康的苦痛から解放された皆様の目線からしか見れないんで。

 昨今急激にノンアルコール飲料が増えたことも素晴らしいことです。
 体質的に全く飲めない子が「みんなと同じように飲めたらいいのに」と寂しそうにしてたのを思い出しますし(それ聞きながら、飲めないほうがずっとかわいいのになあと思ってました。人はないものねだりです)、我々のんべえにとってもいつもいつも体調万全な日ばかりでもないので、ノンアルコール飲料は本当にありがたいもの。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 でも一方で「こんなにおいしいお酒、もっともっと広まってくれればいいのに」と、ちゃあんと思ってもいるのです。

 私が「もっと広まれ~、伝われ~」と願っているのは日本酒と本格焼酎。この日本文化は衰退させちゃいけません。芸術です。奇跡です。魔法。

 これらのお酒、おいしさのあまり調子に乗りすぎて結果的に酔いすぎることはあるものの、酔い目的から飲むことはないです。

 日本酒。若い子は吟醸酒から入ったほうが抵抗がないかもしれません。2000円以上のランクのものがいいかな。これがお米なのって思うはず。気になるアルコール臭ですが、初見ではほぼ感じないものもあります。まるで白ワインみたいなのもありますからね。
 でも飲めるクチなら地元の普通酒を試してみてほしいです。720mlを一度で飲み切る必要ないです。案外一週間くらい持ちますよ。少しずつ味が変わっていくのも楽しみの一つ。
 普通酒、安いし。1000円しないものばかり。糖類とか酸味料とか余計なものが入っているのは避けてね。
 東京なら澤乃井の普通酒とかね。新潟吉乃川の普通酒もうまい。
 
 本格焼酎。
 いきなり瓶で買うのはめちゃめちゃハードルが高いし、自分に合う飲み方自体がわからないと思うので、焼酎の品揃えがよくて詳しそうなお店(焼酎バーとかね)でまずは好みの味や飲み方をゆっくり試すのがいいと思います。ハマる人はハマりますよー。
 日本酒沼やばいと思ってましたけど、これ下手すると焼酎のほうが沼度高いです。
 焼酎のすごさはなんといっても「糖類いっさい入ってないのに、なぜか甘い」ところ。これは本格焼酎特有の香り成分がなすマジックなんですけれど、ロック、水、お湯それぞれの割り方で香り方が違ってくるから、感じる甘みも微妙に違ってくるという。面白いのなんのって。割る濃度でも全然違うし。
 そしてひとつお気に入りの焼酎が決まればそこからはコスパ天国です(飲みすぎさえしなければね)。手軽に買えるラインナップでは1000~1500円のものが多いけれど、開封後もとにかく日持ちしますからね(そりゃ多少は劣化するでしょうけどさ…)。1本買ったら我が家の場合は1ヶ月くらい持ちます。量飲まないので。
 ダイソーで買ったちょっと大きめの100円おちょこに夏なら氷を2個ほど入れてロックで。私はお湯割りが好きなので、よくやけどしないなと我ながら感心するのですが、このおちょこめがけてポットのお湯を半分弱注ぎ入れ、そこに焼酎を同量よりちょっと多めに注ぎ入れます。
 夫も私も普段はそれくらいしか飲みませんから、900mlもあればそう簡単にはなくなりません。

 芋焼酎好きなのですが最近は麦のおいしさにも目覚めてしまいました。夏の暑さには黒糖焼酎が合います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 そしてなにより日本のお酒、和食と相性がよいのです。
 日本のお酒を愛することと簡素な和食習慣を愛すること、実は同じ直線状にあるということに最近気づきつつあります。

 表層的な「お酒をもっと飲んでほしい」という要望に寄り添う気は毛頭ありませんが、一つ提案をするのであれば「お酒に合う食事」を一緒に提示するがいいと思います。
 お酒と食はセット。
 これを機会に和食の良さを再発見してもらい、普段の食習慣として取り戻してほしいと思うばかり。

 家でつけたぬか漬け。脂ののった目刺し。薬味をたっぷりのせた冷ややっこ。
 こういうシンプルなのこそが日本のお酒にはめちゃめちゃ合うんです。
 高級な食材も、手の込んだ調理も、いっさい必要ないです。

 適度で簡素な量の料理を、これまた適度なお酒で味わう楽しみをまずは知り。
 慣れてくれば少し凝ったものも作っていけばいいです。それぞれのお酒と料理の相性もだんだんわかってきます。
 日本のお酒と上手に付き合えるようになると食生活の傾向も変わってくるはず。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 今ある暮らしを、ちょっとの工夫でほんの少し豊かにできそうな提案。
 そういうことになら知恵を出していきたいな。

 でもいつも思うんです。
 これに限らず私が思う「身の丈に合った本来の暮らし」みたいなものは、国の願う経済発展とはことごとく真逆の発想なんだよなって。
 お国のためにあれもこれもと出費しなくていいんだよ。お金持ちならともかく、私たち一人一人はね、自分や家族が幸せになるための出費がなにかだけ、考えていればいいんだよ。

 一人一人がそうしていく中で、本来もっと豊かになるべき、残すべき産業が適切に残り、栄えていくといいのだけれど。
 近視眼的できれいごとなのはわかっているけれど、一庶民でしかない私はそんなふうに思います。


武者修行中です。皆様に面白く読んでいただけるような読み物をめざしてがんばります。