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2022/8/2(火)人類は依存症を選んだ


 時間が空いたので少し書いてみます。
 書くという習慣をなくしたらすっかり無気力になりました。新しいことを仕入れようとか、今起きていることの本質を分析したいとか(私の能力ですからしょせん浅い考察なのでしょうが)、そういう気力がすっぽりと。この暑さのせいもあるかもしれませんが。
 生きる意味を持ち続けるためだけに私は書かなきゃならないのかな。でもそこまで大事にしなきゃいけないものなんですかね私の命だとか正気だとかってやつは。いやそこを問い出すのはさすがにやばい。

 話を変えましょう。

 暑さにやられている。いや実は不正確。暑さではなく夏の冷房にやられているのだと思います。
 ただこの暑さに冷房無しはさすがに無理でした。実は今年、一日だけ試そうとしたのですけれど、変な汗はかくわ眠くて仕方がなくなるわで身体の危機をじわじわと察しました。今年は絶対にだめです。
 しかし冷房を入れたら入れたで。この不自然な冷気がとかく肌に合わない合わない。世の中には評判の悪い28度設定どころか29度設定にすることもあるくらい冷房の寒さには敏感なんですが、それでも不快な時があります。
 人工的なものって、そりゃ屋外から逃げ込むひえっひえのコンビニのように一時的にはこれほど快適なものはないのですけれど、やはり自然にあるものとは違うから体の感覚としては抵抗があるのかも、などと思いながら過ごしています。
 子どものころから冷房三昧な環境であればこの人工状態こそが自然になるのかもしれませんけれど……彼らからしたら自然の苛酷さのほうがおかしいんだ、現実的じゃないよ、って思ってたりしてね。ほんと異常な暑さだし。

 太古の昔から人類ってやつは己の命を長らえるべく実に様々な発明を積み重ねてきているわけで、先人たちの叡智の数々、その集大成の一つとしてエアコンなる素晴らしい発明品が存在しているわけですが。
 でもやはり人類なんざどれほど賢こぶっていても大局的には浅知恵なんでしょうね、エアコンが私たちの肌を冷やしてくれる代わりに外に向かっては大量の熱風を吐き出し。最近はめっきり聞かなくなりましたねヒートアイランド現象。環境問題にも流行りすたりがひどいなあと呆れますが、あれの一因になっているのは今も間違いないはずで。
 つまり暑さを私の周辺から追いやっているだけで、つまりは他に肩代わりしてもらっているだけで。
 私の涼しさは他の誰かの暑さかもしれないと。

 とはいってもこの暑さもはや何から来ているかすらわからない状態でして、原因なんて一つじゃないからこそヒートアイランド現象って言わなくなっちゃったのかなあと思いますが。ああでもその代わり、よりシンプルに、二酸化炭素ひとりのせいにしてるか。
 自分のせいで誰かが暑いかもとか、そういう思考には我々耐えられないからねえ。二酸化炭素のせいにしてれば少しは距離が取れるから。

 まあ真の原因なんざ今の私にとってはなんでもよくて(こういうのは複数なんですよ)、この暑さから命を守るためにはこれから先はさらにエアコンに頼らざるを得ない機会がさらにふえ、そうするとさらに外には熱気があふれ、熱中症にならないためにもさらにエアコンは手放せなく。
 来月の電気代請求こんにちは。


 考えてみれば、エアコンに限らず人類が発明してきた人工的なお助けグッズってやつらは、一見どれも便利極まりないようでいて依存性の高さがシャレにならないものばかりなのかもしれません。一度使い始めたらそれなしに生きることはもう難しいよ、みたいな。
 それが嫌だと反抗してみても、じゃあ今更丸腰で自然と戦えるかと言われたら、ねえ。
 そもそも昔から自然ってやつは人類に厳しいもんではあるけれど、それを人間が長年かけていじくりたおしたもんだから、気温も病原ウイルスも変な方向におかしくなっちゃってる、そんな現在の自然に裸一貫で立ち向かえるもんならやってみなさいよ、という感じですかね。

 というわけでいくらエアコンの冷気が嫌いでも、この先変わらず健康に命をつなぎたいという欲を捨てられないなら、じゃあ高い電気量を支払ってでもエアコンに依存し続けるしかないでしょうが、ということです。

 依存症ってのは特別な人たちの抱える疾患ではなく、一度進み出したが最後、永遠に止められなくなってしまう、私たちの欲がもたらす悲しい習性であり因果応報なのかもなあと。
 昔の人類は知らないけれど現在に生きる人類の私らは誰もかれもが複数の依存症に陥り、最後にはにっちもさっちもいかなくなって終わるのでしょう。

 こんな未来、先人たちは思いもよらなかっただろうなあ。
 でも今は快適だよ。今はね。
 エアコンの外気のように問題を他の誰かに押し付け未来への先送りを繰り返しながら、私たちは涼しく幸せに生きているよ。

 たとえ不自然だとしても、短い命を受け入れるより、少しでも長く楽しめる命を、私たちは選んだのだもの。


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たまやまめふく
武者修行中です。皆様に面白く読んでいただけるような読み物をめざしてがんばります。