2021/5/22-23(日)君たちは小兵でもベテランでもないのに
相撲における変化については補足を一つ。
変化は反則ではありません。変化する力士が全員だめなわけではありません。たとえば以前であれば安美錦。安美錦の注文相撲はもはや芸術の域です。でもねあの技は安美錦の全盛期があってこそなんですね。技巧派で上位キラーではあったけどやはりケガに泣かされた力士の一人でね。それにあの膝で15日間真っ向勝負できるかと。無理です。今の照ノ富士がいかに奇跡かということです。
負けが込んでて前日に7敗目を喫した力士、これも変化をしがちです。理由は言わずもがな。致し方ない。だから安美錦と7敗の力士の変化には引っかかるほうが全面的に悪いんです。
舞の海。今日はどんな相手の裏をかく戦法に出てくれるか、私たちは楽しみにしたものです。今なら炎鵬や照強。二人とも意外と変化しませんけど。そもそも小兵に15日間真っ向勝負をしろというほうが無茶というものです。
つまり「正攻法でやったら勝ち目が少ない」力士が、万に一つの可能性を信じて行う奇襲が立ち合いの変化なのであって、確かに舞の海がこの奇襲を華麗な技の一つとして格上げしてしまったところもあるんだろうなと思いますが、まあ本来はそういうもの。
なんで若いくせに、体でっかいくせに、相撲取れないくらいのケガも負ってないくせに、白星先行してるくせに、番付が上のくせに、実力的には勝っているはずのくせに、あなた変化するんですかと。
その図体で舞の海ですかと。弁慶が牛若丸気取りですかと。それはおかしいでしょうと。
あなたは強いの。強さに恵まれている人間は強い人としての行動を取らなきゃいけないの。それは時にしんどいことだと思います。いつもいつも強い時ばかりではないのもわかります。
だからといってそのしんどさと向き合うのを避けるかのように、ハンデある人と同じやり方で勝って、かつ平然と開き直っているのは。
人も神様もちゃんと見てると思うんだ。