正楽師匠のこと
紙切りの林家正楽師匠がお亡くなりになりました。
初席でご挨拶したばかりでしたし…信じられません。
アタシの二ツ目時分の名前『市楽』は正楽師匠から頂きました。
二ツ目昇進が決まって楽屋で「名前どうしようかね?」なんて話しをしていたら、正楽師が「キミに『いちらく』をあげるよ」
正楽師が以前名乗っていらした『一楽』を紙切りでなく噺家のアタシに?と驚いていると、
「市馬さんの弟子なんだから、『いち』は市馬さんの『市』ね」
これで『柳亭市楽』に決まりましたから、アタシにとっては名付け親のお1人です。
正楽師は大変なお酒好き。
アタシはほぼ下戸ですから、一緒にいてもそれほど面白くはなかったでしょうが、それでも度々ご馳走になりました。
上野のとんかつ屋さんで、「(特殊な人や会でなく)普通の寄席のお客様にウケなきゃダメだよ」と言われましたことを、胸に刻んで修業して参りました。
昨年、浅草芸能大賞を受賞されたお祝いを申し上げましたら、
「ありがとう!みーんなあなたのおかげ」
と仰ってからニヤッと笑って
「嘘ーン」
協会からの知らせも「嘘ーン」であってくれたら…
(2024.1.26. 21:12公式HPに掲載)
※テレビで紹介されていた、noteの編集機能やAI機能は使用しておりません。完全にオリジナルの投稿となります。
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<玉屋柳勢(たまやりゅうせい)とは>
落語協会の噺家。2020年真打に昇進。
六代目 玉屋柳勢を襲名いたしました。
これまで師匠方から「直に」受け継いだ落語。
それはアタシの財産です。
その楽しさと良き伝統をお伝えできたら嬉しいです。
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