箱男
お客様からプレゼントを貰う事がしばしばある。
お菓子率が高くて、あとは下着やアクセサリーや本や細々しく多岐にわたる。
そんな中、ある日フリーでお客様についた。
細見で早口のちょっとオドオドしたタイプだったが清潔感のある好感が持てそうな若い人だった。
彼は一度めのプレイを終えると、話始めた。
実は今日は違う女の子で予約していた。
でも、その子が生理でドタキャンされた。
彼女にあげたかったものがあるので、変わりに渡して欲しい。
もちろん、私は笑顔で了承した。
了承してくれた私に、彼は
どう思われるか心配だった。
他の女の子の話なんて気持ちの良い話では無い。
ありがとうといい胸を撫で下ろしていた。
安堵した彼は持ってきたカバンから、
これを渡して欲しい!とあるものを私に手渡してくれた。
それは、キティちゃんの絵柄のついた、お菓子の空箱だった。
少しの困惑を抱きつつ空箱を受け取る私に彼は、
彼女がブログでキティちゃん好きだって言ってて、
コンビニでこれを見つけた時にあげようって思って今日買って来たんですと意気揚々と話す。
ん???
中身は?
お菓子は出しちゃったの?
お菓子の空箱だけ渡すの?
もはや、これはゴ、、
、、、
そのまま彼は二度目のプレイを終え笑顔で帰って行った。
残された私はすぐさま、マネージャーにこれ!どうしよ!!と相談した。
だって、お菓子、私が食べて空箱だけ渡してるみたいじゃん!
どんだけの嫌がらせだよ!
あと、この空箱もし私が渡して無かったら、このあとその子にお客様ついた時に私が渡さなかったのバレるじゃん!!
それも嫌がらせじゃん!
どうしよ!!
やや、パニック状態の私にマネージャーは一応、自分が中身は無かったって証言したげるから、そのまま渡して(笑)と笑っていた。
笑ってる場合じゃねぇ!!もう!!
後日、私はこれこれこういう事がありまして〜と空箱を女の子に渡した。中身は最初から無かった事も告げた。
渡された女の子も、どう反応してよいやらという表情だ。
しかし、女の子は空箱もだが、空箱を渡したお客様が自分に入るかも知れないという事を懸念していた。
まぁ、確かにちょっと警戒するよね。
普通じゃないと思うよね。
だって、渡されたプレゼントが空箱だもんね。
でも、そこは空箱以外は普通だったよ。とフォローもしておいた。
そこから2ヶ月後、
空箱男は彼女にようやく入れたようで、
接客が終わった彼女は笑顔で私に
「三毛ちゃん!今日も空箱!!(笑)」
と教えてくれた。
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